【ニュースの深層】□□186 <サブスク振興会 「サブスク大賞2025」開催>/より専門性の高いサービスが受賞(2025年12月11日・18日合併号)

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グランプリとなった日本初のサブスク修理サービスを展開するホームサーブ

グランプリとなった日本初のサブスク修理サービスを展開するホームサーブ

 一般社団法人日本サブスクリプションビジネス振興会(サブスク振興会、事務局東京都、佐川隼人代表理事)は12月3日、25年の最も優れたサブスクサービスを表彰する「日本サブスクリプションビジネス大賞2025(サブスク大賞)」の表彰式を開催した。グランプリには自宅の修理サービスを展開するホームサーブを選出した。

 「サブスク大賞」はサブスクに特化した表彰イベント。「お得」「悩み解決」「便利」「新規性」「成長性」「安全性」の六つの要素で審査を行う。グランプリには受賞者のサービス成長をサポートする総額200万円分相当の商品・サービスを贈呈する。同振興会ではこの表彰を通してサブスクリプションビジネスのさらなる振興を目指す。
 グランプリには、月額590円から住宅設備のトラブルに備える、日本初のサブスク修理サービスを展開するホームサーブを選出した。シルバー賞には、全員元警察官の専門相談員が騒音をはじめとした近隣トラブルや迷惑行為などを解決支援するヴァンガードスミスを選んだ。
 ブロンズ賞には、公認心理師(国家資格)を持つカウンセラーのオンラインカウンセリングサービスを運営するremental(リメンタル)が受賞した。特別賞は管理栄養士監修の宅配食サービスを手がけるウェルネスダイニング、サブスク振興会賞は法律相談を回数無制限で利用できる顧問弁護士サービスの弁護士法人えそらだった。


■物販系の受賞が減少

 数年前までは、「サブスク大賞」では、魚のサブスクサービスや野菜のサブスクサービスなどの受賞が目立った。今年は物販系のサブスクサービスの受賞が減少した。
 このことについて、新たに同振興会の会長に就任した畠山知也氏は、「物販が飽きられたということではなく、世の中に充分に浸透したということを意味しているのだと思う。今年のサブスクサービスのトレンドは、より専門性の高い、専門性が高くて需要も高いもの、そして新規性の高いサービスが目立っている」と話す。
 ホームサーブは電気・水まわり・ガス機器の故障時に電話一本で専門家が駆けつけ、原因特定から30万円までの修理を何度でも対応する。さらにヴァンガードスミスは元警察官の専門家がトラブルを解決するため、より解決につながりやすく、相談者も依頼しやすいだろう。
 「より生活に根付いていたり、自分の命を守ってくれるサービスが台頭している。物販で商品を購入するというワクワク感も重要だが、近年だとそれ以上に急ぎ問題を解決しないといけないという消費者が多いのだろうなと推測する。ホームサーブも売り上げ、利用者数は年々拡大しており、需要の高さが伺える」(畠山会長)と話す。
 畠山会長は来年以降も専門性の高いサービスが台頭すると予測している。物販の受賞は減っているが、物販企業が受賞するとしたら、付加価値の提供が重要になり、企業はこの付加価値こそ他社との差別化につながるとみている。
 「サブスク大賞」では、姉妹紙であるEC専門の業界紙「日本ネット経済新聞」による、「日本ネット経済新聞賞」も授与した。同賞には、ミスト型のサプリメント「IN MIST」を選出している。
 錠剤でもカプセルでも口の中にスプレーを噴射するだけで、サプリメントを摂取できる。市場にない希少性の高さと、これまでカプセルを飲むのが苦手でサプリメントの摂取を諦めていた人の課題に的確に応えていることを評価し、選出した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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