【ニュースの深層】□□190 <日本越境EC協会 小松氏が代表理事就任>/3月から理事体制強化(2026年2月26日号)

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 一般社団法人日本越境EC協会(JACCA、事務局東京都)は今年3月から、理事体制を変更する。国際物流サービスを提供するECMSジャパンの小松英樹代表が、代表理事に就任する。新たに設けた副代表理事には、ジグザグでカスタマーエクスペリエンス統括を務める木村寿人氏と、AnyMind Groupで人事・組織開発を担当していた松山和磨氏の2人が就任した。小松代表理事は「JACCAをさらに成長させていく。中期的な目標だが、今後はJACCAが主体とした展示会も開催していきたい」と意気込みを話す。

 JACCAは23年、越境EC事業などを行うMaddler USA LLC.(マドラー・ユーエスエー、本社米国)の恩蔵優CEOが代表理事を務めた形で始動した。専務理事には、ジャパンEコマースコンサルティング協会(JECCICA)で代表理事を務める川連一豊代表、NDCアジアの出口允博代表が就任した。恩蔵代表理事のもと、毎月オフライン限定のセミナーと懇親会を行い、参加者に有益な情報を提供してきた。
 代表理事の変更に伴い、恩蔵氏は名誉顧問に就任した。新たに代表理事に就任した小松氏は、「JACCAを越境ECのナレッジプラットフォームに進化させていきたい。もっと協会の価値を高めていく」と決意を話す。
 具体的には、オフラインセミナーの毎月開催を見直す。オフラインセミナーは年数回の開催に変更し、代わりに毎月オンラインセミナーを開催する。アーカイブを残すことで、気になった人がいつでも情報を収集できることにつなげる。
 副代表理事の木村氏は、「ここで重要なのは、セミナー講師の選定だと思っている。いくらアーカイブに残したといっても、講師が魅力的でないと意味がない。そこは小松さん、松山さんと連携して、特に注力していきたいところだ。内容も今月来月は物流編、再来月は決済編と、カテゴリーごとに配信するのもおもしろいと思っている。越境ECの成功事例だけでなく、オフライン限定で失敗談を語ってもらうのも参加者にとっては魅力的だろう。企画、セミナー講師などにはこだわっていきたい」と話す。
 今後、新たにイベントの実施も検討していく。「EC Expo(仮)」という展示会をオンラインとオフラインで開催し、JACCAのパートナー企業は優先的に出展できる仕組みを整える。海外からの顧客もイベントに誘致し、出展者が質の高いリードを獲得できる場を提供するという。
 「このほか、メルマガの配信も開始する。仮の予定だが、海外サンプル展示会へJACCAとして出展したり、オフライン交流会などを開催して、早いタイミングで目標会員1000人、目標パートナー50社を達成したい」(小松代表理事)と展望を語る。


■有力支援会社の見解は

 トランプ関税や、台湾有事など、海外を取り巻く環境は急速に変化している。そのような市況感の中でも小松代表は、越境EC市場はさらに拡大していくと予測している。
 「デミニミス・ルールの廃止などもあったが、事業者はその変更に対応しながら、越境ECを行って売り上げを拡大させている。越境ECの市場は今後ますます拡大していくはずで、さまざまな困難はあると思うが、それに対応しながら、事業者は運営していく必要がある」(小松代表理事)との見解を示す。
 中国で商品を販売しようとした際、日本企業が中国で認知を取るためには、多額のコストが必要だという意見もある。広大な中国市場に月間100万円の予算しか投入できない事業者は、そもそも中国市場に参入することが間違っているという専門家の声も聞く。
 「確かに中国で戦うためには多額のコストがかかる。だが、戦い方はいくらでもある。既存のECサイトに数行のコードを追加するだけで越境対応できるサービスなどを活用し、まずは海外から買える状態を作る。そして、データ分析を工夫し、どの国からアクセスがあるかを見極めて、反応が良い国に絞って広告を出すなど、効率的な拡大を目指すべきだ。多額のコストをかけて認知を得るか、少額でも長期視点で捉えて、コストを抑えながら運用していくか。このような情報も今後JACCAとしてきちんと発信して、越境ECの挑戦のハードルを下げて、企業の売り上げ拡大につなげていきたい」(松山副代表理事)と説明する。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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