【インフォマーシャル〈出稿量データから見る商品戦略〉】第20回 出稿量減少傾向から持ち直した健康食品 (2022年2月24日号)

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 1日に何千分、何万分と流されるインフォマーシャル。よく見る商品もあれば、たまに目新しい商品も登場する。しかし、どんな商品も放送回数や放送分数、放送時期などをじっくり調べてみると、売れる理由や各社の戦略・努力が見えてくる。今回は、インフォマーシャルで出稿分数が最も多い「健康食品」について、昨年と比較しながら改めて状況を確認してみた。

■21年の出稿が増加

 新型コロナの拡大によって消費が落ち込んでいた2020年について、総務省統計局家計調査で「健康保持用摂取品」の消費状況を確認した際、同年4~8月の支出はそれぞれ前年同月と比較すると約20~50%増えていた。一方、同時期、インフォマーシャルにおける「健康食品」の放送分数がどうだったかというと、10%前後の増加にとどまっており、前年同月比で減少した月すらあった。
 ただ、インフォマーシャルにおいて、「健康食品」の放送分数が17年から減少傾向にあった(グラフ1参照)ことも考え合わせると、「健康食品」の放送分数の増加は、コロナ禍における健康食品の需要の高さを示した結果と受け止めることもできた。
 こうした考察はすでに、本連載21年4月1日版で掲載していた。では、コロナ禍2年目となった21年の「健康食品」のインフォマーシャルの動きはどうだったのだろうか。
 グラフ1からは、「健康食品」の放送分数が明らかに増加傾向となっていることが見て取れる。しかも、インフォマーシャル調査会社ハニーマスタードが調査を開始した12年からの約10年間の中でも、21年は最も多い放送分数を記録したことが分かる。
 新型コロナが拡大し始めた20年1~3月の放送分数が20万912分。これに対して、21年10~12月の放送分数は、23万1363分となっていた。新型コロナの終息が見えないまま経過した2年近くで、放送分数が約15%も伸びたことになる。
 コロナ禍だからこそ健康を意識する人が増え「健康食品」の放送分数が増えたのか、あるいはコロナとは関係なく需要が増えたのか、そのあたりの判断は難しい。ただ、放送分数が増加するということは、「インフォマーシャルで健康食品の出稿をすることに効果がある」ことを示す、客観的な裏付けと考えて問題ないだろう。


■目立つロコモ関連

(続きは、「日本流通産業新聞」2月24日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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