【インフォマーシャル〈出稿量データから見る商品戦略〉】第17回 出稿パターンを変えた「ニューモ育毛剤」のその後(2021年10月7日号)

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 1日に何千分、何万分と流されるインフォマーシャル。よく見る商品もあれば、たまに目新しい商品も登場する。しかし、どんな商品も放送回数や放送分数、放送時期などをじっくり調べてみると、売れる理由や各社の戦略・努力が見えてくる。今回は、今年に入ってファーマフーズのそれまでの出稿パターンを大きく変えた「ニューモ育毛剤」のその後の出稿の様子を追ってみた。

■予想を上回る好調ぶり

 インフォマーシャルを含め、さまざまな媒体で露出が目立った「ニューモ育毛剤」。昨年からの大ヒットで、ファーマフーズの2021年7月期の連結業績における売上高は、前期比204.5%増の467億5200万円となった。営業利益は同666.6%増の56億7300万円、経常利益は631%増の57億6700万円。驚異的な増収増益を記録した。
 同社のインフォマーシャルの従来の中心商材はサプリメント「タマゴサミン」だった。20年7月期までの、同社のインフォマーシャルの出稿方法は特徴的で、第1四半期に当たる8月ごろに最も多くインフォマーシャルを出稿、第2四半期以降、期末に向けて急激に出稿量を減少させていくというパターンを採っていた。
 上半期(8月~翌年1月)で赤字を生みながらも大きく広告投資を行い、新規顧客を積極的に獲得。下半期(2月~7月)で広告出稿を大きく減少させ、利益の回収を図るというのが同社の戦略といえた。
 このパターンに大きな変化が見られたのが、昨年末から今年初めにかけての動きだ。同社の21年7月期のインフォマーシャル出稿量データでは、例年は、インフォマーシャルの出稿量を減らすことが多い、12月~翌年3月の時期に、むしろ出稿量を増やしていたことが見て取れる。「ニューモ育毛剤」の影響だと考えられる。
 同商品のインフォマーシャルは、20年8―10月期(第1四半期)から少しずつ出稿していた。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月7日号で)

データ提供:(株)ハニーマスタード
 全国で放送されているインフォマーシャルについて、商品カテゴリー別、商品別、局別などに、放送回数、放送時間、価格などすべてをデータベース化し、プロモーションやマーケティングコンサルティングなどの事業を行う。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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