【インフォマーシャル〈出稿量データから見る商品戦略〉】第13回 出稿パターンを大きく変えた「ニューモ育毛剤」

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 1日に何千分、何万分と流されるインフォマーシャル。よく見る商品もあれば、たまに目新しい商品も登場する。しかし、どんな商品も放送回数や放送分数、放送時期などをじっくり調べてみると、売れる理由や各社の戦略・努力が見えてくる。今回は、期初に233億円としていた売上高予想を、一気に400億円まで上方修正したファーマフーズのインフォマーシャルの出稿パターンの変化に着目した。同社は毎年、上期に出稿を集中させていたが、「ニューモ育毛剤」の販売好調を受け、出稿方法を大きく変えている。

■売上と出稿が大幅増

 7月が決算月のファーマフーズは、毎年、第1四半期に当たる8~10月頃にかけてインフォマーシャルの出稿量を大幅に増加させる。それは、同社の出稿量をグラフにしてみると一目瞭然だ。2019年度までの数年は毎年似たような軌跡をたどっている(■グラフ:2017~2019年度折れ線グラフ)。上期に広告宣伝を集中して行い新規顧客を獲得し、下期で利益を回収するという戦略が、グラフからは読み取れる。
 これまでの同社の主力商品は、卵の黄身から抽出された独自成分「iHA(アイハ)」などを配合した、ロコモティブシンドローム対応のサプリメント「タマゴサミン」だった。インフォマーシャルも「タマゴサミン」を中心に、上期に集中した出稿を繰り返してきた。そのため、同商品に関してはこれまでに多数の定期顧客を獲得しており、安定した売り上げを挙げていると推測される。
 ところが、2020年度の同社の出稿量のグラフはこれまでとはまったく違った形を見せている(2020年度折れ線グラフ)。決算月翌月の8月に出稿を増やし、そこから徐々に減少していくのは例年通りなのだが、21年1月に入って再び急激に出稿量を増やしているのが見てとれる。21年1―2月度の出稿量に関していえば、前年同時期と比較すると約9倍、17年度以降で最も多かった19年1―2月と比較しても2倍以上となっている。

(続きは、「日本流通産業新聞」」4月8日号で)

データ提供:(株)ハニーマスタード
 全国で放送されているインフォマーシャルについて、商品カテゴリー別、商品別、局別などに、放送回数、放送時間、価格などすべてをデータベース化し、プロモーションやマーケティングコンサルティングなどの事業を行う。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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