【インフォマーシャル〈出稿量データから見る商品戦略〉】第24回 総商品数の約半分を占める新規商品(2022年7月7日号)

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 1日に何千分、何万分と流されるインフォマーシャル。よく見る商品もあれば、たまに目新しい商品も登場する。しかし、どんな商品も放送回数や放送分数、放送時期などをじっくり調べてみると、売れる理由や各社の戦略・努力が見えてくる。今回は、新規商品数に着目してみた。

■新陳代謝は活発

 インフォマーシャルでは、毎年3000点以上の商品が放送されている。定番商品ばかりよく見かけるイメージもあるが、実際には、毎年、総商品数の約半数を新商品が占めている。
 ただ、そうした新規商品のうち、長年にわたってインフォマーシャルで売られ続ける商品は一握りだ。例えば3年間継続して出稿しているケースがどの程度あるのかを確認してみると15%前後に過ぎないことが分かった=グラフ参照。
 インフォマーシャル調査会社であるハニーマスタードの山條暁博社長は、「インフォマーシャルは、テレビCMやリアルでの店舗展開よりも費用を安く抑えられる利点がある。そのため参入がしやすく、新規商品も展開しやすいのだろう」と分析する。「新規商品の登場はどの業界でも、活発な業界であることの証といえる。その一方で、同一商品について、根強いファンを長く持ち続ける会社が、いかに卓越しているのかを表している数字ともいえるだろう」(山條社長)と話す。
 ここで、カテゴリー別の新規商品の割合についても確認する。
 2021年、最も新規商品の割合が大きかったのが「フィットネス」の59.8%だった。次に「ホームDIY、インテリア、雑貨、ホビー」の53.2%、そして「掃除用品・掃除家電」の51.1%が続く。逆に新規商品の割合が小さかったのが、「CD・DVD・Blu-ray」の24.3%だった。
 そのほかのカテゴリーの多くは、新規商品比率が40%台となっている(「その他」「未分類」を除く)。
 ちなみに、長く愛用を続ける商品が多いと考えられるのが、「健康食品」や「コスメ」だ。「健康食品」の新規商品数の割合は38.1%、「コスメ」は46.6%。成分やパッケージのリニューアルなどで、商品名の一部が変更された場合も新規商品としてのカウントになるため、すべてがまったく新しい商品になったわけではない。リニューアルして商品を新しく見せたり、パワーアップさせたりすることも、やはり消費者を引き付けておくための重要な要素になるのだろう。


■長期継続は1%以下

(続きは、「日本流通産業新聞」7月7日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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