【インフォマーシャル〈出稿量データから見る商品戦略〉】第23回 減少傾向の商品数は業界の先細りか(2022年5月26日号)

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 1日に何千分、何万分と流されるインフォマーシャル。よく見る商品もあれば、たまに目新しい商品も登場する。しかし、どんな商品も放送回数や放送分数、放送時期などをじっくり調べてみると、売れる理由や各社の戦略・努力が見えてくる。今回は、放送分数が増加する中、商品の数は逆に減少している点に着目してみた。

■全体の商品数は減少

 2021年、インフォマーシャルで放送された商品数は3349点だった(同一商品でも、販社が違う場合は別商品としてカウント)。グラフを見れば、13年の4642点から減少傾向が続いていることが分かる。インフォマーシャルの総分数は、ここ数年、増加している。そんな中、出稿する販社の総数は減少しており、比例して商品数も減少しているようだ。
 21年の総分数は、13年比で14%増になっている。その一方で、21年の商品数は、13年比で28%減となっている。実店舗で例えると、広くなった売場に、同じ商品がいくつも並ぶようになったイメージだ。
 この状況について、インフォマーシャル調査会社であるハニーマスタードの山條暁博社長は「インフォマーシャル業界全体は活況とは言いがたい。この数字は、むしろ先細りを感じさせる傾向ともいえそうだ。ただ、通販会社としては少ない商品でも展開できる。商品数を絞れば、当然、業務や経費を削減することもできる。通販会社によっては、良い傾向にあるとも考えられる」と話す。


■健食・コスメは定番化か

 さらに詳細に、カテゴリーごとの放送分数と商品数について、13年と21年を比較してみよう。まずは、圧倒的に放送分数が多い「健康食品」だが、21年の放送分数は13年比で14%増だった。一方、13年に316点だった商品数は、21年に194点となっており、同39%減となっている。

(続きは、「日本流通産業新聞」」5月26日号で)

データ提供:(株)ハニーマスタード
 全国で放送されているインフォマーシャルについて、商品カテゴリー別、商品別、局別などに、放送回数、放送時間、価格などすべてをデータベース化し、プロモーションやマーケティングコンサルティングなどの事業を行う。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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