【インフォマーシャル〈出稿量データから見る商品戦略〉】第15回 インフォマーシャルの中心地”深夜帯”は今(2021年7月8日号)

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 1日に何千分、何万分と流されるインフォマーシャル。よく見る商品もあれば、たまに目新しい商品も登場する。しかし、どんな商品も放送回数や放送分数、放送時期などをじっくり調べてみると、売れる理由や各社の戦略・努力が見えてくる。今回は、インフォマーシャルが最も多く放送されている深夜の時間帯に注目する。

■地上波の放送が顕著

 インフォマーシャルというと、深夜から早朝にかけての時間帯を想起する人が多いだろう。その理由は、視聴者が多い日中やプライムタイムといわれる時間帯には、ドラマやバラエティー、ワイドショーといった番組を放送することで、視聴率を獲得しているからにほかならない。言い換えれば、日中やプライムタイムにはインフォマーシャルの枠が極端に少ないのだ。
 この傾向は、特に地上波で顕著だ。グラフ1の通り、深夜時間帯に当たる午前2時~4時台だけで全体の放送分数の60%以上を占めている。最もインフォマーシャルが多い時間帯が午前4時台、次が午前2時台となっている。
 また、「24時間別地上波放送分数」の表を見ていただきたいが、平日と土曜・日曜日の24時間の放送分数を表にし、放送分数が少ない5000分以下の時間帯に色付けしてみると、時間帯と曜日によってインフォマーシャルの放送分数に非常にムラがあるのがみてとれる。平日・土日ともに午前7時台と、午後6時以降は0分となっている。午前6時台、午後0時台の放送分数も少ない。さらに、土日にいたっては日中の放送分数も全体的に少ない。つまり、平日、起床して出掛ける準備をする間の情報番組、昼休みの情報番組、夜のプライムタイム、そして休みの日といった、通常の番組の視聴者が多い時間帯にはインフォマーシャルを放送していないことがこの表を見てもよく分かる。
 ちなみに、地上波の次に深夜放送が多いのがBSで、同じく午前2時台~4時台の放送分数だけで全体の約26%を占めている。
 独立U局やCS、ケーブルテレビは、極端に深夜に放送が偏っているわけではないが、インフォマーシャル全体の1日の放送分数を円グラフにしてみても、グラフ2のように午前2時台~4時台だけで総放送分数の30%以上、午前1時台~5時台にすれば50%近くを占めていることが分かる。


■深夜の費用対効果

(続きは、「日本流通産業新聞」7月8日号で)

【データ提供:(株)ハニーマスタード】
 全国で放送されているインフォマーシャルについて、商品カテゴリー別、商品別、局別などに、放送回数、放送時間、価格などすべてをデータベース化し、プロモーションやマーケティングコンサルティングなどの事業を行う。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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