【コールセンター〈有力企業の取り組み【CX向上】〉】 〈インタビュー〉アイ・エヌ・ジー・ドットコム 澤田英士社長/産経新聞社と合弁会社、調査・マーケ・PRを支援(2022年11月10日号)

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澤田英士社長

澤田英士社長

 アイ・エヌ・ジー・ドットコム(本社大阪府)は20年10月、産経新聞社と合弁で「産経リサーチ&データ」を設立した。同社のサービスが提供する顧客体験(CX)向上施策は、「産経リサーチ&データ」を起点に推進しているという。合弁会社ではアンケート調査からマーケティング、PRまでを手掛け、クライアント企業の売り上げ拡大を支援している。アイ・エヌ・ジー・ドットコムの澤田英士社長(産経リサーチ&データ取締役を兼任)に「産経リサーチ&データ」の事業内容や強み、今後のCX向上施策などについて聞いた。

■産経新聞社の特徴を生かす

 ─20年10月に産経新聞社と合弁会社を設立した。合弁会社の事業内容を聞きたい。
 「産経リサーチ&データ」は新聞社のグループ会社の強みを生かして設立したマーケティングリサーチ会社。アンケート調査を実施し、そのデータを商品開発に生かす。そしてプレスリリースの配信や記事に取り上げてもらうようなPR活動を支援し、クライアントの売り上げ増加につなげている。
 特に「産経リサーチ&データ」のアンケート調査は、通販事業者にとって必要なデータを収集できると考えている。通販事業者の多くは、比較的所得に余裕のある40~60代顧客の情報(ライフスタイルやニーズ)を欲しがっていると思う。少子高齢化や所得の兼ね合いから見ても、若者よりも年配者へ商品を売りたいはずだ。
 この点を「産経リサーチ&データ」ならカバーできる。アンケートは産経新聞社グループのサービスを利用している「産経iD」を持つ40万人以上の会員にインターネットや電話でヒアリングを行う。アンケートは、一般的に回答者全員にポイントを付与するケースが多いが、同社のアンケートは回答者数人に特典があるのみ。それでも多くの回答が集まるのは、ポイント目当てではなく、自身の考えを正しく伝えたい回答者が多いということだろう。深いヒアリングが必要な場合に電話調査で対応できる点は、他のネットリサーチ会社とは異なる特徴だ。「産経iD」会員は、40代以降の人が多い。そのため、通販事業者が欲しているユーザー層のデータを取れるというわけだ。
 時には、アンケートの依頼とともに、インタビューを依頼するケースもある。インタビュー記事をクライアントに提供し、ランディングページなどに”体験記事”を掲載して、購入につなげていく。
 メディアに取り上げてもらえるようなプレスリリース作成も支援している。どのような書き方をするとメディアは食い付くのか。商品の訴求ポイントや、消費行動を刺激するような内容のプレスリリースを書いて、クライアントの認知度向上と販売数の増加を狙う。
 新聞社の記者の知見を生かして、プロのテクニックが詰まったプレスリリースを作成することも可能だ。もしメディアに取り上げられることが少なくても、産経新聞社グループが運営するウェブメディアに取り上げられる可能性があり、認知度向上に努めていく。


■薬剤師オペレーター配置

 ─今後、「産経リサーチ&データ」で注力していくことは何か。
 基本は変わらない。これまでと同様の路線でクライアントに喜ばれ、さらに良い事業を展開できるよう常にアップデートを続けていく。
 一方、アイ・エヌ・ジー・ドットコムでは、コンタクトセンターに薬剤師を配置するサービスも提供したいと考えている。
 通販事業を展開している製薬会社や医療機器メーカーに電話をしたことのある人なら分かると思うが、「薬の効能を聞きたい」「この薬はこの症状にもきちんと効くのか」といった問い合わせに対して、オペレーターから「後日確認して連絡する」と言われる。このような顧客対応は、本当にもったいないと思う。
 購入につなげられないだけではなく、顧客がその会社に抱くイメージを悪くさせてしまう。だが、センター内に薬剤師のオペレーターを配置することで、スムーズに問い合わせに対応でき、消費者の時間短縮と疑問解消につながり、CX向上に寄与するはずだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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