【コールセンター】 〈コールセンターの現場〉ダーウィンズ/顧客に寄り添う電話対応を徹底/定期解約の阻止率が1.5倍の事例も

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オペレーターの電話対応の様子

オペレーターの電話対応の様子

 化粧品や健康食品といった単品リピート通販に特化したコンタクトセンター(コールセンター)の運営を行うダーウィンズ(本社東京都、後藤豪社長)は、顧客に寄り添った電話対応を行うことを徹底している。オペレーター教育では、クライアント企業の接客方針を事前に研修で周知。オペレーター同士の座談会も行い、ブランドに対する理解を深めている。ダーウィンズにコールセンターを委託した、ある化粧品企業では、接客時の対応が改善した結果、顧客が定期解約を思いとどまるケースが、1・5倍に増えたという。東京・立川にある同社の拠点を取材し、同社の電話接客のこだわりに迫った。

■200人が接客に従事

 立川にあるダーウィンズのコンタクトセンターは、17年に開設された。同社の五つの拠点の中で最も新しい拠点だ。オールインワンジェルやサプリメントなどの有名ブランドを扱う通販企業約20社の電話接客を、200人強のオペレーターが行っている。
 今回取材した、立川の拠点のオペレーターの伊藤さん(仮称)は、既存顧客向けの電話接客に従事しており、化粧品の定期契約の解約への対応などを行っている。1日におよそ60件近い電話に対応しているという。
 今年に入ってからは、コロナの影響から経済的に不安を感じ、解約を申し出る顧客が増えているという。商品やブランドが好きであるのにもかかわらず、解約をしたいと申し出る顧客に対しては、解約理由をよくヒアリングするようにしている。そのうえで、「お肌の変化を感じていただけるような使用方法」「継続すると実はお得」と説明し、定期契約の継続を提案しているのだという。
 伊藤さんによると、化粧品やサプリの定期契約の解約理由として顧客が最も多く挙げるのが、「商品を使いきれず余ってしまうので解約したい」ということだという。ダーウィンズでは、商品を使い切れないことを理由に解約したいと申し出る顧客に対して、商品が余ってしまった理由をしっかりと聞き取った上で、(1)メーカーが提唱する適切な使用量を提案する(2)次回の届け出日を提案する─といった対応を実施しているという。季節によって、適切な使用量が変化する化粧品もあるため、オペレーターが事前に、しっかりと商品特性の理解を深められるような教育を徹底しているとしている。
 前出の伊藤さんは、「解約の理由はお客さまによってさまざま。一人一人のお客さまに寄り添い、お客さまの悩みを理解した上で、定期購入を継続してもらうためのベストな提案をするようにしている」と話す。


■オペレーターのブランド理解を徹底

 ダーウィンズが、単品通販企業の電話対応を受託する際には必ず、ブランドの担当者に、コンタクトセンターに来てしてもらうようにしている。オペレーターに対して直接、商品やブランドについて説明する研修を実施してもうらうのだという。化粧品企業の研修では、商品を体験したオペレーター同士がディスカッションを行う座談会を行うこともあるという。サプリメントの研修は、ブランドに、顧客の声などを紹介してもらい、理解を深めるケースが多いという。
 コミュニケーションデザイン部の富樫隆介・立川コンタクトセンター長は、「対応の方針について、疑問がある場合は、オペレーターから積極的に、その都度メーカーに質問するようにしている。さまざまなお客さまのニーズや要望に寄り添うため、メーカーの担当者と一緒に顧客対応の方針を模索するケースもある」と話す。
 前出の伊藤さんは、「オールインワンジェルなどは、実際に自分で試してみると、テクスチャーなどを実感できる。電話対応する際にも、お客さまの悩みを想像しやすく、お客さまに寄り添った提案がしやすくなる」と話していた。

富樫隆介・立川コンタクトセンター長

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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