【コールセンター】 〈インタビュー〉トランスコスモス 取締役専務執行役員・デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括共同統括責任者兼デジタルコミュニケーションセンター総括総括責任者 松原健志氏/音声認識機能の精度向上

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 トランスコスモスは顧客対応におけるデジタルの活用を積極的に推進している。18年8月には、音声認識ソリューション「transpeech(トランスピーチ)」の提供を開始した。従来オペレーターが入力していた情報を、会話音声をもとにテキスト化し、傾向分析やマーケティングへの活用を進めている。音声認識の精度も向上しており、認識率は90%以上になるという。松原健志取締役専務執行役員・デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括共同統括責任者兼デジタルコミュニケーションセンター総括総括責任者に、デジタルを活用したコンタクトセンターの運用について聞いた。

 最近はコールセンター自体が単純に問い合わせ対応に徹するだけではなく、「クライアントの売り上げにコールセンターがどう寄与できるか」が求められるようになった。お客さまへの対応レベルをどのように上げていくかということを念頭に、運用を進めていく必要があると感じている。
 お客さまが好きなときに好きな形でコミュニケーションを取ることができるよう、チャネルは複数提示できるようにしている。チャットの場合、夜間であってもFAQでお客さま自身が疑問を解消できる。
 お客さま対応を行うコンタクトセンターの運用において、現在は自動音声認識機能「トランスピーチ」の活用に力を入れている。オペレーターが対応記録を残す手間や工数を削減し、お客さまの声の分析もできる。お客さまの声で頻繁に出てくるワードなどを定量的に分析し、音声データをもとにFAQを作ることも可能だ。
 音声からお客さまの感情解析ができる機能も実装しており、声のトーンなどから商品を購入する気持ちの度合いを把握できる。感度を見ながらオペレーターは対応でき、コンバージョンの向上につながるトークを展開することもできる。
 デジタルの深化が進む一方で、より商品やサービスに対して、興味・関心を高めるコミュニケーションは「人」でしかできないことだと思う。
 お客さまとインタラクティブにコミュニケーションを取る中で、場合によっては自分の言葉で伝えたいことをうまく言えないお客さまもいる。それをうまく引き出してあげられるのは「人」だ。オペレーターの価値とお客さま自身の体験価値を一緒に高めていきたい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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