【コールセンター】 〈インタビュー〉トランスコスモス 取締役専務執行役員・デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括共同統括責任者兼デジタルコミュニケーションセンター総括総括責任者 松原健志氏/デジタル活用・在宅化を加速

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 トランスコスモスは事業のデジタル化を進め、多様なチャネルを顧客接点として展開している。非対面チャネルの需要が高まる中、より高品質な応対を実現できるよう、その体制を強化していく考えだ。近年注力している業務の在宅化にも、デジタル活用の知見が生かされているという。環境整備を進め、在宅オペレーター数の拡大と在宅業務の一般化を目指す。松原健志取締役専務執行役員に、デジタル活用による新たなコンタクトセンター像、在宅化への取り組みなどについて聞いた。

■デジタル活用で一歩先の応対を

 非対面チャネルの使用頻度が増し、お客さまと企業をつなぐコンタクトセンターの重要性が増していることを実感している。それに伴い、求められる品質も日々高まってきている印象だ。実店舗と遜色のない体験を提供できるよう、さまざまな角度から応対品質の向上に努めている。
 その一つの例が、単純に聞かれたことへの回答ではなく、その先へと一歩踏み込んだ応対だ。お客さまに合った商品の提案や潜在的な課題を察知して解決に導くなど、対応の一つ一つを進化させていくことが、今後より求められてくる。
 応対品質の向上に欠かせないのが、デジタルソリューションの活用だ。ノンボイスチャネルの拡大、自動音声認識による応対品質の一元管理や、サイト閲覧履歴からのユーザーの課題分析など、活用の幅はより広がりを見せている。
 デジタル化については、クライアント企業からの関心もより高まってきている。目の前の課題だけではなく「どのようなセンターにしていきたい」というビジョンをくみ取り、最適な選択肢を提示できるよう、各チャネルの拡充を進めている。


■在宅スタッフのフォローを拡充

 デジタル化とともに注力している分野が、業務の在宅化だ。3年以上前から準備を進めてきたが、コロナ禍を受け、一気にその優先度が高まった。BCPの観点から、必要性や企業の課題意識も高まり、風向きが変わっていることを感じている。
 もちろん、在宅業務への移行・運用でも当社のデジタルソリューションが活用されている。コロナ禍での緊急対応としてスピード感を重視して進めた部分も多いが、結果として多くの成果と今後への課題を得られた。在宅スタッフについては、現状の1700人から20年度内に3000人まで拡大する計画だ。
 在宅化を進める中では、スタッフへの支援体制が重要になってくる。業務フォローやモチベーションのケアなど、在宅のオペレーターを集中的に支援する専任チームの準備も進めている。
 在宅化には働き方の多様化という側面もある。ここ数年で、働き方の選択肢としてより一般的なものとなるよう、環境整備と企業担当者の認知を高めていきたい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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