【次代を担う企業の「EC戦略」】第19回〈北の達人コーポレーション(上)〉 北海道の豊富な資源の全国普及を目指し起業

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 「事実は小説よりも奇なり」を、北の達人コーポレーション(以下、北の達人)の創業者社長:木下勝寿氏を取材して実感した。
 幼少の頃から「漠然とだが会社をつくり、社長になるという思いを抱いていた」と言う。神戸生まれの神戸育ち。関西大学に学んだ。「関西の学生企業に参画し、ビジネスの喜び、楽しみを学んだ」。卒業後は、「多数の起業家を輩出していたリクルートに就職した」。独立の準備のためだった。
 5年後、満を持して独立。日用品販売業を興した。1年目は順調。だが2年目に入ると売り上げは低下傾向へ。「売上高にばかり目が向き、顧客の満足度を忘れていた。それなりに考え策は打ったが、財布の中身が50円になっていた」と振り返る。起業早々の第1の躓き。継続を断念した。生活のために肉体労働に身を置いた。約1年。「やはり、起業が捨てきれなかった」。
 「顧客の満足度こそ肝心」を頭に叩き込み、パソコン2台を抱え、第2の起業の地を求め「平成の屯田兵」よろしく北海道に渡った。なぜ北海道で、お供はPCだけだったのか。木下氏は「TVドラマの『北の国から』の影響で北海道が大好きで、何回となく旅行に行っていた。北海道には活用し切れていない資源が山ほどあった。北海道人気質は実に真面目。豊富な資源を道産子気質の力を借り、普及期を迎えていたインターネットを介して全国に向けて販売しようと考えた」とした。

(続きは、「日本流通産業新聞」」3月25日号で)

【著者プロフィール】
千葉明(ちば・あきら)氏
 1949年群馬県生まれ。明治大学政経学部卒業後、1973年4月、日本短波放送(現日経ラジオ社)入社。1976年5月、経済評論家・亀岡大郎氏に師事。1982年6月、独立、(有)オフィスエーシー設立。そして自営のいまも、新聞・雑誌の原稿作成、書籍上梓、講演活動に従事。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

次代を担う企業の「EC戦略」 連載記事
List

Page Topへ