【次代を担う企業の「EC戦略」】第14回〈ダンボールワン(下)〉 ダンボール以外の商材を横展開していきたい

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 ダンボールワンは現社長の辻俊宏氏のMBOを契機に「段ボール製販業」から、「梱包資材のネット通販」業者に方向転換している。
 段ボールに代表される梱包資材の市場規模を辻氏は、「うちがターゲットにしている『引っ越し、通販向け』で約500億円。皆さんもよく目にされると思うがアマゾンやアスクルなど大手通販会社が発送に際し利用する箱とか、大手引っ越し会社が引っ越し時に使う梱包ケースが大方。われわれが主たるターゲットにしている中小企業や個人向け市場に絞ると約100億円。さらにEC市場に限るとニッチ市場」とし、「そんなニッチ市場でシェア50%以上と断トツとはいえ…」と決して風呂敷は広げない。
 逆に「通販の好調で段ボール市場が伸びていると報道されたりしているが、段ボール市場全体の伸び率は前年比1~2%程度。今年(2020年)は0.7%程度の伸びと鈍化傾向にある。うちも天井がすでに見え始めてきている」と客観的かつ主観的に分析する。
 では、今後はどんな展開を図るのか。
 「段ボール以外の商材を横展開していきたい」と答えは明白。横展開の内容についての明言は避けた。例えば〈昨今、緊急時の「段ボールベッド」が話題を集めているが、辻さんはどう見ているか〉と水を向けても、「対応は可能だが、軸は今後とも梱包材に集中していく」と、サラリ身をかわす。

(続きは、「日本ネット経済新聞」12月10日号で)

【著者プロフィール】
千葉明(ちば・あきら)氏
 1949年群馬県生まれ。明治大学政経学部卒業後、1973年4月、日本短波放送(現日経ラジオ社)入社。1976年5月、経済評論家・亀岡大郎氏に師事。1982年6月、独立、(有)オフィスエーシー設立。そして自営のいまも、新聞・雑誌の原稿作成、書籍上梓、講演活動に従事。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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