2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測
- 2021/01/21
- 日本ネット経済新聞
- 2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈OMO〉
動画メディア「ECの未来」
ワイシャツのECサイト「ozie(オジエ)」を運営する柳田織物(本社東京都)の社長で、動画メディア「ECの未来」のMCを務める柳田敏正氏は、21年のD2C―EC市場について、「『経営者の思い』や『情報発信』『ファンによる情報のシェア』などを備えた、本来の意味のD2Cでなければ生き残れない時代になる」と話している。
20年は、D2CをかかげるEC企業がたくさん生まれた。21年は、「熱狂的なファンに情報を拡散してもらう」「経営者の思いをブランドで表現する」という、本来のD2Cを実践する企業でなければ、お客さまに選ばれない時代になるのではないかと考えている。
21年もコロナの影響は続くだろう。大手企業でも、コロナを背景としたリストラが相次ぐのではないかと考えている。こうしたことから、消費者の経済に対する考え方が変わる。たとえコロナが収束して消費が回復したとしても、モノをバンバン買う時代に逆戻りするわけではない。「何を」「どこで」「なぜ」買うのかについて、これまで以上に思いを巡らせた上で選択し、買う時代になるだろう。
広告に頼る時代も終わる。これまでは、グーグル検索を行った人に広告を表示し、ECへの流入を促す企業が多かった。最近は、グーグル検索のボリュームが落ち、フェイスブックやインスタグラム、アマゾンなどへと、検索の場が移動してきているという情報もある。個人情報保護の機運や、クッキーの規制の影響もあり、その流れは加速するだろう。
こうした時代の流れに対応するには、小売り・メーカーを問わず、「経営者の思いをブランドで表現する」「頻繁に情報発信して、ファンとコミュニケーションする」「広告に頼らず、ファンに情報をシェアしてもらう」といった、本来のD2Cの取り組みが必要だ。経営者や、ECの店長は、積極的に前に出て情報発信し、ファンとコミュニケーションをとる必要があると考えている。
低身長の女性向けアパレルブランド「COHINA(コヒナ)」などのように、ミクロな市場に向けて打ち出しているD2Cのブランドが、ファンの共感を得やすいのではないか。
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