2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測
- 2022/01/13
- 日本ネット経済新聞
- 2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈資材調達難〉

いろは
さまざまな商品の原材料や資材価格が高騰している。経営コンサルタントで、多くのネットショップのコンサルティングを手掛ける竹内謙礼氏は、原料や資材価格の高騰について、「22年夏ごろに落ち着くのでは」と予測する。ただ、「『SDGsの浸透』『人件費の高騰』『IT人材の取り合い』などさまざまな理由から、ECの商品の価格競争は激化し、大手と一部のブランディングのうまい企業が勝つのではないか」と話している。
半導体や原油といった、商品の原料や資材価格が高騰している。コロナの収束に伴い、世界の一部の国で需要が回復しつつあるからだ。米中貿易摩擦や、現場に人材が不足しているのも、価格高騰の要因だろう。
原油不足については、先進国が多い北半球で冬が終わるにつれて、多少回復するのではないか。コロナも、22年夏ごろには収束するのではないかとみている。夏ごろには、高騰した原料・資材にかわる、別の安い原料・資材が、さまざまな業界で現れる可能性がある。
ただ、資材価格が戻ってきても、物によっては、実際にかかる・原料・資材のコストが下がらない可能性もある。価格は下がらないことを覚悟して、経営戦略を立てるべきだ。
国内のEC市場は、商品の価格競争が激化するとみている。国内のEC市場の22年の成長率は、コロナ前に戻るとする試算がある。一方で、参入企業は増えた。今後は、広告費など、体力がある大手が顧客を奪っていく時代になるのではないか。
IT人材の奪い合いも激化する。ECを強化した大手が、IT人材の採用を強化している。地方のネットショップと、大手企業のEC部門との間で、さらなる人材格差が生まれるだろう。
今後は、SDGsの考え方が広がるとともに、海外の工場の人件費も上がっていくだろう。これまでのネットショップの商品開発は、「中国などの海外で作り、日本で売る」のが一般的だった。逆に日本で作った方が安く済むようになるかもしれない。
22年は、ブランディングがうまい一部の企業が勝つ一年になるだろう。価格競争に左右されない商品を持ち、リピーターやファンを作り、自社ECサイトに誘導できる「D2C」を行うのが、22年の唯一の突破口だ。
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