2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測

有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈コンプライアン〉

東京神谷町綜合法律事務所

弁護士 成眞海 氏 特商法違反の摘発が増える

 21年は特定商取引法が改正され、定期購入規制の規定が盛り込まれた。医薬品医療機器等法(薬機法)にも、課徴金制度が導入された。特商法や薬機法に詳しく、定期型通販・EC企業の顧問弁護士を務める、東京神谷町綜合法律事務所の成眞海(せい・しんかい)弁護士は、「22年は、これまで特商法違反で業務停止命令を受けたケースと同様の違反を行っていた企業がいた場合、当局が次々と指摘をしていくのではないか」と話している。

 21年は特商法が改正され、「定期購入でないと誤認させる表示に対する規制の直罰化」などが盛り込まれた。21年11月から12月にかけては、「定期購入でないと誤認させる表示」の具体例などが示されたガイドライン案も公表された。
 ただ、既存の「インターネット通販における意に反して契約の申し込みをさせようとする行為に係るガイドライン」から抜本的に変わったとは言いづらいと思う。規制の対象は引き続き最終確認画面であり、トラブルの根本的な原因である広告そのものの表示については、規制の対象となっていない。広告表示そのものを変えなければ、定期購入のトラブルの悪質事業者との”いたちごっこ”は続いてしまうだろう。
 22年も、これまで特商法違反で指摘を受けたのと同様の違反について、これまで以上に指摘される件数が増えていくのではないか。
 薬機法については、課徴金の納付命令が下された事案がまだない。医薬品的効能効果をうたう未承認医薬品としての健康食品や化粧品も、課徴金の対象になる。ただ、当局が実際のところ、規制対象をどこに設定しているかは、現状では不明確だ。他法令と運用がバッティングする可能性があるため、慎重な執行になっているのかもしれない。
 ただ、当局が、法律の運用の実績を作りたいのは間違いない。引き続き、当局の動きに注意する必要がある。


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