2021年EC市場展望

DX デジタルトランスフォーメーション

ダイレクトマーケティングゼロ

社長 田村雅樹 氏 「ブランドコンセプト」が勝敗を分ける

 EC・通販の総合コンサルティングを手掛けるダイレクトマーケティングゼロ(本社東京都)の田村雅樹社長は、2020年の単品通販市場について、「商品だけでなく、自社の『ブランドコンセプト』を確立し、他社と明確に差別化できた企業が成長する」と話す。

 19年の健康食品や化粧品の単品通販市場は、医薬品や食品など相性の良い異業種からの参入が目立った。高い商品力を武器に展開する企業が群雄割拠する流れが一層強まった。企業の業績についてみると、大きく成長したところもあれば、衰退したところもあった。その栄枯はマーケティング技術の差だけではない。
 これからの単品通販市場では、自社のサービスコンセプトを明確にし、他社と差別化できるところが、成長を続けていく。そもそも単品通販という言葉自体が、既に時代錯誤かもしれない。確かに顧客情報を把握し、最適なレコメンドや情報発信を行うことは重要だ。
 だが、競争過多で、顧客のリテラシーも高まってきたEC市場においては、商品力やテクニカルなマーケティング力だけでは太刀打ちできない。もっと「時間がかかるCRM」へと重みが移行してきている。消費者のリテラシーの向上と、顧客の情報取得経路の多重構造化が影響している。
 では、勝ち抜くために必要なことはなんだろうか。それは、明確なコンセプトメイクと、時間の積み重ねである。サービスも含めた世界観の統一、すなわち自社の『ブランドコンセプト』を明確化する必要がある。さらに、ブランドの理念をあらゆる接点、あらゆるタイミングで顧客に共感してもらうためには、時間軸まで味方に付けるデザイン力がものをいうだろう。
 何もこれはCRMに限ったことではない。新規顧客の獲得についても、コンセプトの明確化と、メッセージや印象の統一が必ず重要になる。顧客の商品検索がSNSなどのフィードに移行した時点から、消費者の購買行動の可視化や、第三者の口コミの重要度の上がり方は尋常ではない。
 しかし、この流れは考えてみたら喜ばしいことだと考えている。一過性のテクニカルな売り方から、自社とお客さまとの理想的な関係性をデザインできるかどうかが、勝負になってきたのだから。


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