【ネットショップ 「売れる」デザイン・演出テクニック】連載89 ジェンダーレスなECとは?

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 間もなく梅雨のシーズンを迎えます。初夏のこの時期に欠かせないのが「日傘」です。先日、小池都知事が発表した「かぶる日傘」も世間を賑わしました。日傘は紫外線を遮るのはもちろん、雨天の際に使用できるものも多く、「日傘男子」と呼ばれる日傘を差す男性の姿も少しずつ増え始めています。そこで今回は、日傘を筆頭としたジェンダーレスな商品とECの相関性をひも解きます。

■時代の流れと美意識の変化

 ジェンダーレスとは、主に男女の境界や性別的な差異をなくすという考え方を指します。日本で「ジェンダーレス」が浸透した理由の一つにファッション業界で注目されたことが挙げられます。
 例えば、女性が男性用のオーバーサイズの服を着たり、男性が女性用の細身のシルエットの服を着たりするという、いわば「ジェンダーレスファッション」が近年のトレンドの一つとなっています。
 特に昨年から今年にかけて、父親が若い頃に着ていた服や靴などを身に着ける「ダッドファッション」が男女ともに注目されています。バリエーションが多く気軽にチャレンジしやすいという意味で、どちらかと言うと女性がトレンドをけん引している印象です。しかしながら、近年はファッション以外にも男性の中にジェンダーレスな風潮が取り入れられるようになりました。
 その代表的なものが「メンズコスメ」です。日本における男性用化粧品の歴史は古く、20世紀初頭にはすでにヘアケア商品が存在していたとされています。1972年に資生堂が販売を開始したスキンケア商品が男性用化粧品の先駆けと言えるでしょう。
 そもそも男性が化粧品を使うことは、日本古来の俗に言う「男らしさ」とは少しかけ離れた行為と認識されがちでしたが、1980年代に入りビジュアル系バンドが登場したことが、若年層の美意識を大きく変化させるきっかけとなりました。

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月6日号で)

〈著者プロフィール〉
 長山衛(ながやま・まもる)氏
 某大手食品ECサイトで運営を手掛けた後、08年10月にECサイトの運営代行などを手掛ける株式会社ネットショップ総研を設立。
 11年11月に「食品ネットショップ『10倍』売るための教科書 リピーターを確実に増やす商品プレゼン77のテクニック」(日本実業出版社)を上梓。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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