2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測

　「ベルタ」ブランドで酵素ドリンクや妊活サプリなどを販売するビーボ（本社東京都）の武川克己社長は、「広告を打って短期的に売り上げを上げる単品通販は１９年、さらに厳しくなる」と話している。


　１８年はグーグルの「健康アップデート」によって、不確かな情報を発信するアフィリエイトサイトの検索順位が落ちた。１９年も同様の規制の強化は加速するだろう。広告を投資して短期的に売り上げを上げる、いわゆる単品通販は、さらに厳しくなっていくのではないか。
　健康食品や化粧品のような単品通販に限ったことではないが、「顧客にどんな価値を提供できるか」「顧客にとっての価値とはどんなものか」を追求することが、今以上に必要になっていくのではないか。
　これまでは、アフィリエイトサイトのようなメディアが情報を発信してきた。プラットフォームの規制によって、こうしたメディアの力が弱くなる。一方で１９年は、”個”の発信力が増していくのではないかと予想している。”個”とは、ユーザーのことだ。ユーザーはアフィリエイトサイトのようにお金を払って情報操作できるものではない。一人一人のユーザーに、いかにファンになってもらえるかを考える努力がますます必要になってくるだろう。
　当社は、「お客さまの目的を達成する」という考えのもと、事業を運営している。これまではアフィリエイトサイトからの流入が多かったが、今後は、雑誌や新聞、実店舗などオフラインでの露出を増やし、新たな層のユーザーの獲得を図っていく。
　ウェブメディアやフォトアプリといった、ＥＣ以外の事業領域も拡大する予定だ。モノプラスアルファの価値を提供できるか、ということを追求していく。