【ネットが拓く〈リテンションの時代〉】連載第29回 デジタル世代に告ぐ

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■単品リピート、黎明期の言葉

 10月の連載で、ネット・デジタルマーケティングについて書いたので、もう少し深掘りしてみる。
 ここ数年話題となっているキーワードを並べてみると、CRM、EC、CPR、CPO、PDCA、定期購入、セット割り、サブスクモデル…と並べきれない。
 このコラムを読んでいる方は、ECが主流となってからマーケティング分野に入ってきた方が多いと思うので、これらのワードがネットやECの世界で生まれたと思っているだろう。だが、これらは20世紀の通販、特に単品リピート通販の黎明期から使用されてきた言葉である。
 単品リピート通販で、広告等によって最初に獲得する顧客を試用顧客と呼び、「投下広告費÷試用顧客=初回試用率」がCPRのことである。次いで、「投下広告費÷新規購入者=新規顧客獲得率」がCPOのことである。
 新規購入者を継続顧客に引き上げ、継続顧客を安定顧客に定着させるために、顧客に対してコールセンターのオペレーターが電話したり、顧客対応部門から、顧客の誕生日や記念日等のイベントに合わせてDMを送付したりしていた。これがCRMである。
 これらの施策を費用対効果の側面から分析し、効果の高いものを選択していくというPDCAも採用していた。
 その結果、継続化した顧客に対して、より安定化させるために活用した施策が定期購入制度である。現在のサブスクモデルの出発点となっている。


■視野の拡大を念頭に成長へ

(続きは、日本ネット経済新聞」11月7日号で)

〈プロフィール〉
伊藤 博永(いとう・ひろなが)
 1993年3月、旭通信社(現ADK)入社。2001年4月、価値総研取締役、09年4月、ADKダイアログ代表取締役、15年9月、日本リテンション・マーケティング協会理事、18年4月、日本リテンション・マーケティング協会監事(現任)。

 筆者に関する問い合わせは、一般社団法人日本リテンション・マーケティング協会事務局((電)=03―6910―4644)まで。http://j-rma.jp/

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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