2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測
- 2019/01/11
- 日本ネット経済新聞
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事業者に聞く!【2022年 事業戦略】

一般社団法人 日本イーコマース学会
アウトドアECを立ち上げ、株式上場まで果たした中島成浩氏は現在、日本イーコマース学会の副理事長を務めている。同学会はEC事業におけるAI活用も研究テーマとしている。中島氏にAIが単純作業を担う時代において人がやるべき仕事について聞いた。
現在のAIの中核技術であるディープラーニングは人の脳神経細胞をモデルとしているが、人の脳細胞の数が100億個以上といわれているのに対し、現在の集積回路のトランジスタ数はまだ7億個程度なので、せいぜい犬猫程度ではないかと考えられる。
しかし、犬猫程度の知能であっても簡単な受注処理を行ったり、適正な在庫数を計算して発注したり、簡単なメールの問い合わせにテンプレート返信したりする程度の仕事はこなせる。最終的にはマニュアル化が可能な仕事はほとんどがAIに置き換わると思う。
ECに関わる作業のほとんどがAIに置き換わるとすると、現在その作業に関わっている人はどうすればいいのだろうか。AIを仕事の良きパートナーとして活用し、自らは人でなければできない仕事に集中することが必要になる。
人でなければできない仕事とは何か。まず一つは、「人の心を動かす」ことだろう。あらゆる商売の基本は、商品やサービスによって価値を提供することにある。価値を感じるのは一人一人の心なので、いかにその心を動かすのかが重要だ。心を動かすことができるのは心を持っている人だけ。AIに心はない。
もう一つは、「未来を作る」ということだ。AIに任せる仕事というのは、そのほとんどが過去に発生した事象のための仕事。注文が来たから受注処理する、問い合わせが来たから対応する、在庫がなくなったから発注する。一つの事象について全てルール化、マニュアル化が可能なのでAIでもこなせる。
新しい商品を開発しよう、新しい顧客を開拓しよう、来年は工夫して2倍売ろう、利益を上げるためにコストダウンしよう、これらは人が決断して初めて成り立つ。決断するとはつまり、「未来を作る」こと。AIは過去のデータから示唆はするが、決断をするのは人だ。AIが人を差し置いて決断するのはSF映画の中だけだ。
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