【EC関連リサーチ】〈エルテックス 通販ソフト・サービス導入調査〉/システム導入 増税、競争激化でコスト意識高まる

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 通販システム構築のエルテックス(本社神奈川県、犬飼邦夫社長)はこのほど、通販会社が通販ソフトやサービスを導入する際に重視する点について調査を実施した。昨年も同様の調査を実施しており、1年で意識に差異が出ていることが分かった。
 調査は14年6月に楽天リサーチの調査パネルを用いて行い、年商3000万~100億円の通販事業に携わる人を対象とした。
 (1)マーケティング・広告・宣伝(2)業務(受注、決済、配送など)(3)情報システム─の職種別に社員や個人事業主から回答を得た。回答サンプルは各職種とも100件。
 調査結果によると、通販ソフトやサービスを導入する際に重視している点で最も多かったのは昨年と同様「導入や運用のコスト」(66・4%)で、前年に比べ19・1ポイント上昇した(=図1参照)。
 次いで「ソフトやサービスの機能の充実度」(48・9%、同15・6ポイント増)、「無償で機能が増えてゆくといった拡張性」(39・5%、同21・1ポイント増)となった。
 このほか、前年より伸長が目立ったのは「希望の納期への適応力」(38・6%、同10・7ポイント増)との回答だった。
 導入にかかる費用や納期を重視している声が高まっている理由として、エルテックスは(1)通販会社の競争激化によるコストダウンの必要性(2)消費増税の影響─と分析している。
 通販システムの導入に対する通販会社の目が厳しくなっている中、通販会社の要望に応じながら、機能の拡充をまめに行っているサービスほど、評価する声は多くなっているとしている。
 エルテックスは「通販ソフトやサービスを導入する際の重視点」の調査と同時に、「サーバーの利用実態」と「今後のサーバーの利用意向」についてもアンケートを取った。
 「サーバーの利用実態」によると、年商5億円を超える通販会社は自社内での運用が多い。年商規模を問わず平均すると、データセンターなどにサーバーを設置しているという回答は31・4%だった=図2参照。
 一方、「今後のサーバーの利用意向」では、年商5億円以上の通販会社はデータセンターでのホスティングを希望し、年商5億円未満の通販会社はクラウドサービスを希望する比率が高かった=図3参照。
 クラウドサービスによりコストを抑えられるため、このような結果が出たとエルテックスはみている。ECサイトの運用にかかるコスト削減がいっそう重視されていることが浮き彫りとなった。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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