【Eコマース業界地図 「物流編」】 〈インタビュー〉ロジザード 金澤茂則社長/RFIDやロボットを提案

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 EC事業者の「物流」に関する支援サービスを、ECのネットメディア「Eコマースコンバージョンラボ(eccLab)」と共同でまとめた。サービスマップには物流代行サービスに加えて、宅配サービスや倉庫管理システム(WMS)などもカテゴリー別に収録した。物流支援事業者は玉石混交。自社の事業にマッチしたパートナー選びの参考にしてほしい。

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 システム開発のロジザード(本社東京都、金澤茂則社長)は7月4日、東証マザーズ市場に上場した。上場の狙いや、7月からスタートしている新年度の計画について、金澤社長に聞いた。

■信用力高める
 ─7月、東証マザーズに上場しました。上場の狙いは。
 われわれはクラウドサービスにおいて、お客さまの在庫データをお預かりしている。自社のデータを他社に預けるとなれば、それなりの信用力が必要だ。上場は外部から見た場合、企業の信用度を図る上で必要だと考えていた。例えば、信用情報で会社の評価がB以上でないと、データは預けられないとの声もあった。取引先に対して当社の信用力を高めるとなれば、上場が一番手っ取り早いと判断した。
 ─主要業務は倉庫管理システム「ロジザード ZERO(ゼロ)」によるクラウドが中心ですか。
 主力となる「ロジザード ZERO」のユーザーを一生懸命増やしている。前期末(18年6月末)でアカウント数がようやく1000を超えた。年間10〜15%のペースで純増しており、利用先の業種はECに限らず多岐にわたっている。
 ─7月から新年度がスタートしています。今期の計画は。
 今期は再度、製品やサービスの部分に注力していきたい。配送ドライバーに限らず、倉庫も人手不足で人件費が上昇している。早く手を打たないとビジネスが回らなくなるので、いくつか方向性を持って進めようと思っている。一つ目はRFIDの導入を提案していきたい。コストは多少かかるが、省力化によって成り立つとみている。RFIDを当社のデータにつないで、バーコードではない運用を可能にする。ロボティクスもやりたいと考えている。

■人手不足に対応
 ─ロジザードがどのようにロボットに関与するんですか。
 われわれが物流倉庫で利用できるロボットを探してきて、接続して使えるように提案する。ロボット自体は高価だが計算上は十分に合う。倉庫では人件費がどんどん上がっているので、人が少なくなればなるほど回収は早まる。私のイメージだとロボットは急速に普及が進むとみている。今のビジネスの典型だが、ロボットの稼働状況からインターネットを通じてクラウドでデータを集めている。それによってノウハウがたまっていく。データを収集・分析して情報のアルゴリズムを変えて戻している。集まってくるデータをAIが学習するので、導入から1年後には、人は追い付かないといわれている。われわれとしてはバーコードの代わりとして、人手不足に対応した機器を提案していく。
 ─クラウドサービスの部分はどうしますか。
 「ロジザード ZERO」は再度BtoBに入っていく。通販にこだわらず、流通全体の管理を必要としているからだ。ECだけでないチャネルが視野に入ってきた。アカウント数も1000を超えたので、収集した在庫情報を活用したビジネスも計画している。具体的には、ECも店舗も工場もすべての在庫を一元管理できるようにして、お客さまが買いたいときに最適な在庫をサジェストするようなデータビジネスを手掛けていきたい。ECの売り逃しを避けたいという課題は、リアルを展開している事業者にとってニーズが強いからだ。

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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