【Eコマース業界地図 「物流編」特集〈進化するラストワンマイル〉】 ラストワンマイル協同組合〈宅配〉/1日平均4000個/都内23区内は採算ベースに

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 首都圏25社の中小配送会社で組織しているラストワンマイル協同組合(事務局東京都、志村直純理事長、(電)042―319―9860)の配送実績が、徐々に増大し始めている。現在、首都圏での配送実績は1日当たり約4000個。9月下旬と10月中旬に新規取り扱い荷物が決定しており、都内23区内の配送では全社採算ラインに乗る見通しだ。
 今年6月、営業の仕組みを見直した。それまで組合の事務局が主体となっていたが、事務局側から配送原価を組合員に提示。実際の運賃交渉は各組合員がクライアントと交渉し、原価と運賃の差額を組合員の収益にする方法に改めた。
 組合員が直接営業を担うことで、各組合員の意識を高めるとともに、営業力に応じた収益確保につながるようにしたためだ。「組合員による自助努力ができるようになってきた。組合員が営業することで起爆剤となっている」(志村理事長)と説明する。
 現状の取り扱い実績は約4000個となっているが、9月24日から1000個追加。10月第2週から2000個の追加が決まっている。1日4000個だと採算ベースぎりぎりのラインとなるが、新規案件の確定で都内23区内の採算確保が見通せる状況となっている。
 組合員が受託している1個当たりの配送料は400円前後。「それでも大手の下請けでやってきたときは1個150円から200円だったので全然違う」(同)と指摘する。
 9月19日には総会を開催。新たに5社の参加が確定しており、合計30社となった。このうち1社は関西地区からの初参加となる。すでに関西、東海地区で協同組合に関する説明会を行っており、東海地区では再度説明会を開催する予定だ。
 現状の計画では今年11月から大阪府内での集荷を開始。来年6月から大阪での配送に着手する見通し。

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