【ネットショップ「売れる」デザイン・演出テクニック】連載53 購買と幸福度の相関性

■欲望の先にある幸せ
 年末商戦もいよいよ佳境。店舗を運営している皆さんにとって今が一番のかき入れ時といえるでしょう。
 年間で最も物が売れるとされる12月は消費者の購買意欲も最高潮。そこで今回は買い物をするという行為の原点に立ち返り、消費者目線に立ち、どのような感情の推移から購入に至るのかをひもときます。
 例えば髪の長い女優がメディア露出しており、彼女のつやのある髪はひときわ美しく、目を見張るものがあったとします。彼女が一言、「○○というブランドのシャンプーとオイルを使っているんです」。
 そのようなとき、人は同調と羨望による理想の状態を結び付け、彼女と同じものを使うことでそのようになれると期待します。
 私たち人間の社会的特性の一つとして所有欲があり、物を手に入れることで欲望が満たされ、幸せを手にする考えがあります。
 90年代以降は薄れてきたものの、特に物に執着が強い「物質主義的な考え方」を持つ人は何かを手に入れようと考えるだけで購入する前から幸福感が高まります。
 しかし、いざ購入して手元に届くと購入時の感動というものは少し薄れているものです。
 届いてから数日は大切に使いますが、しばらくするとたんすの肥やしと化していくものです。
 店舗はさまざまな工夫を凝らし、その商品がいかに素晴らしいのかをページ上で力説します。数字を使ってあおったり、セール会場が賑わっているように見せるなどのデザインにおける演出がその代表例です。
 もちろん、最初から欲しくて買うケースもありますが、時には最初は興味のなかった商品を購入しているケースも多々あるのです。
 店舗運営者の中には、結果的に購入に至れば売り上げは伸びるので、そこに行きつくプロセスを重要視しない場合もあるとは感じられますが、最初は興味がなかった商品を購入する場合、単にページ上の画像やキャッチコピー、商品力だけが影響しているとも限りません。
 店舗運営を長く続けていると「物を売ること」のプロ化が思考停止を招き、「物を買う」ことに対して客観視できなくなってしまうことがあります。
 そんな時は特に知見がない商品の買い物経験を増やすことをお薦めします。逸れますが、誰かへの贈り物を選ぶといいでしょう。
 特に必要に迫られているわけではないのになぜか欲しくなってしまう商品は、商品力だけではなく、商品をアピールする要素に何らかの秘密が隠れています。

(続きは、「日本ネット経済新聞」12月22日・29日合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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