【有人接客とAI接客〈顧客満足度向上のメソッド〉】第13回 店舗退店とオンライン・オフライン接客

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オンライン接客はOMOが大前提

 新型コロナウイルス感染症の影響もあり、一部の実店舗の閉店を考える小売店が多くなっています。一部の実店舗から撤退する際には、「在庫をなるべく減らし現金に変えておこう」という、短期的な売り上げを求める発想から、”閉店セール”を行うケースが多く見られます。ただ、これでは実店舗からの撤退が、お客さまの流出にもつながってしまいます。本来ならば、一部実店舗からの撤退はやむを得ないとしても、その中でどうしたらお客さまに与えるダメージを最小化し、スタッフの雇用を守り、企業として利益を出していくことができるのかを考えるべきです。そこで、一部店舗の閉店を行う際にも、お客さまと優秀なスタッフの両方をつなぎとめておくことができる、三つのポイントをご提案します。三つのポイントを踏まえた施策を行っておけば、実店舗の閉店をチャンスに変えることも夢ではないのです。
 こうした目的を実現するにあたってはまず、オンライン接客の導入を日ごろから進めておくことが大切です。オンライン接客を進めるに当たっては、OMO、つまりオンラインとオフラインの垣根を超えた接客を大前提としなければなりません。
 現在では、さまざまなチャネルが存在し、お客さまは好きなチャネルで商品を購入できます。企業は、自社ECサイトで購入してもらいたいと考えますが、お客さまによっては、アマゾンや楽天といった大手ECモールを活用する人もいます。中には、自社ECサイトで提供しているチャットやテレビ電話で会社側とコミュニケーションをとった後、最終的に大手ECモールで商品を購入するというお客さまもいます。もちろん、実店舗があっても、実店舗に行かないというお客さまも多くいます。
 こうしたことを前提に考えたとき、まずやらなければならない一つ目のポイントは、店舗とオンラインの顧客情報・在庫情報を統合することです。もっと言うと、「店舗の在庫状況を見ることができる」「店舗に商品の取り置きができる」「店舗への来店予約ができる」─といった仕組みを、ECサイトに導入することです。

(続きは、「日本ネット経済新聞」4月8日号で)

〈筆者プロフィール〉
空色 中嶋洋巳社長
 2005年4月西日本電信電話入社。2013年10月空色を創業。チャットを軸としたウェブ接客ソリューション「OK SKY」の開発・提供、チャットセンター運用受託事業を展開。2016年からIBM Watson等のAIを活用したチャットボットの提供を開始し、AIと人を組み合わせた新たな購買体験の創出に取り組む。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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