【ネットショップのための薬事広告のイロハ】連載96 化粧品広告で「アンケート」利用時の注意は?

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Q:
 化粧品の広告において「使用者アンケート」を利用したいと考えています。注意すべき点を教えてください。
      (化粧品通販会社担当者)


”「満足度98%」が誤解招く恐れも”

A: 
 お客さま、あるいはモニターさまや寄せられたアンケートの結果については、「せっかく良いデータが集まったのだから、広告で有効に使っていきたい」と、広告担当者であれば、当然のことながら考えると思います。
 ですが、化粧品を販売するにあたっては、薬機法に基づくルールを守らなければなりません。〝ヤラセではなくお客さまがご自身の言葉で書いてくださった事実だから〟という理由だけで、自由に使って良いというものではありません。
 今回はこのような、化粧品をご利用になったお客さま等から寄せられたアンケート結果を広告に利用する際に気をつけなければならないことを解説します。
 アンケートにはいろいろな種類があるかと思いますが、化粧品の広告でよく見られるものを想定すると、「自社製品について調査したもの」「一般的な美容意識を調査したもの」が代表的なものと思います。
 「アンケート」や「モニター」は、実際に商品を使っていただいての感想等に基づくものになる可能性が大きいでしょうし、アンケート結果が〝使用体験談〟に該当する場合、効能効果等または安全性について確実であることを保証する内容は、広告において使用できないと判断するのが妥当でしょう。
 例えば、化粧品の体験談では、化粧品において標ぼうが認められている効能効果であっても、効果に触れること自体が効果の保証にあたるため、不可と判断されています(あくまでも標ぼう可能なのは〝使用感〟まで)。
 よって、アンケート結果も同様に「ハリが出た」「しっとりした」「キメが整った」等、効能効果に関連したアンケート結果は標ぼうできず、あくまでも使用感やテクスチャー的な表現にとどめていただく必要があるということです。
 もちろん大前提として、「シワが消えた」「ニキビが治った」等化粧品で標ぼう可能な効能効果を逸脱するような内容は、例えアンケートに寄せられた事実(ヤラセではない)であったとしても、広告に用いることはできません。
 他に、例えば「満足度98%!」等の表現も良く見かけるところです。
 
(続きは、「日本ネット経済新聞」9月21日号で)


《稲留万希子氏 プロフィール》
 東京生まれ。東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社に就職。在職中に出かけたアジア旅行で各地に根付いている東洋医学に興味を抱き、国際中医専門員、薬事法管理者の資格を取得して独立。数々のサイトをチェックしてきた経験を基に現在は、〝ルールを正しく理解し、味方につけることで売り上げにつなげるアドバイス〟をモットーとした「薬事法広告研究所」サービスを展開中。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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