【Eコマース業界地図 「決済編」】〈決済代行注目サービス〉〈導入事例「ゼウス決済代行サービス」〉シーオーメディカル/ECへの導入実績が決め手、素早い対応が魅力

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吉冨道夫取締役営業本部長

吉冨道夫取締役営業本部長

 EC業界では近年、決済手段の多様化が加速している。決済代行会社選びの基準が、手数料の安さに偏りがちになる中で、決済代行各社は特色ある取り組みで差別化を図っている。ゼウスは無休のカスタマー対応に加え、EC加盟店への迅速な対応が好評だ。GMO―PGは、外部の格付け会社からEC加盟店へのサポートについて最高評価を得ている。今回の特集では、シーオーメディカルのゼウスの導入事例のほか、BtoB―EC向けの決済サービスを紹介する。

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 美容医師の監修によるサプリメントや化粧品、美容商品のECサイトを運営するシーオーメディカル(本社東京都、瀬出井亮社長)は、18年3月期の売上高が前期比2倍の約25億円と急成長している。
 14年6月に創業。EC事業は、自社サイト、楽天市場で展開、17年10月からはアマゾンにも出店した。ECのほか、量販店や湘南美容クリニックをはじめとする医療機関への卸売り、EC向けのSEOに関するコンサルティングの4事業を展開している。
 全社の売り上げの8割をEC事業が占め、さらにその9割は自社サイトによる売り上げとなっている。ウェブ広告全般に加え、アフィリエイト広告などを駆使して新規顧客をECサイトに誘導する。最近は、昨年より始めた「LINE」の広告からの流入が好調だという。
 ECサイトで販売する商品は50~60品目で「ナイトブラ」が人気商品だ。その中でも「ふんわりルームブラ」が累計70万枚を販売するヒット商品になっている。”かわいい”というキーワードで商品を開発。各販売ルートで顧客からの意見を吸い上げて改良を重ねている。商品はすべてOEMによる自社ブランドで展開し、年間で5品目の新商品を投入しているという。
 特に、今年5月に都内で開催した俳優の山田孝之さんとのコラボレーションイベントで人気に拍車が掛かった。これらの企画を実施した結果、現在までに累計約30万人の会員登録があるという。
 会員は20~30代が9割を占めている。今後は現在行っているインスタグラムを含めソーシャルメディア施策を強化し、まずはSNSで若年層に認知を広げた上で40~50代を獲得する戦略を打ち出している。
 年内にはサイトをリニューアルする。買いやすさに加え、新規でサイトに訪れたユーザーの導線を、どのように構築していくかを中心に据え検討する。
 サプリメントや化粧品などの定期購入も促す。ブラを購入したユーザーに対し、レコメンドを行うことでクロスセルを促進する。来年秋の株式上場を目標に、19年3月期の売上高は前期比2倍の50億円を見込んでいる。


■立上げ当初から導入、業務効率化に貢献

 シーオーメディカルの好調な業績を決済面で支えているのが、20年以上の業界実績を持つゼウスが手掛ける決済代行サービスだ。
 ECサイト立ち上げ当初から採用。「さまざまな決済代行会社を比較検討する中で、ECサイトへの導入実績が圧倒的に多いことに加え、他社からの評判が良かった」(吉冨道夫取締役営業本部長)と話す。
 定期購入に力を注ぐ中で定期購入に定評のあるテモナが提供するリピートECシステム「たまごリピート」を導入。カートとの連携もゼウスとの接続がスムーズだったことが採用の決め手だった。
 「ほとんど困ることなく、対応も迅速」(同)と業務効率の向上につながっているという。
 ユーザーの支払い方法は、クレジットカードとコンビニ後払いに二分されるが「クレジットカード決済が最もLTVが高い傾向にある」(同)と話す。ゼウスが提供するクレジットカード有効期限の「自動更新機能」も離脱防止につながっているという。
 年に2~3回行う「リアルイベント」ではゼウスが提供する端末決済を導入し対面販売を実施。その他、改正割賦販売法に伴うクレジットカード情報のセキュリティー強化対策として、電話注文についてはゼウスから専用のタブレット端末をレンタルしてカード情報を入力する運用に変更することで、クレジットカード情報の非保持化を実現している。


【ゼウス「決済代行サービス」 サービス概要】
 
 ゼウス(本社東京都、三文字正孝社長、(電)03―3498―9030)は1994年に創業。通販やEC企業、実店舗へ導入を進め、現在までに約1万4000サイトが導入している。ショッピングカートをはじめとする他サービスとの接続は約500を超え、加盟店の決済環境の向上にも努めている。専門社員を常時配置し、24時間365日対応する自社運営のエンドユーザー向けカスタマーサポートと、チーム体制で対応する加盟店向けのきめ細やかな運営サポートが最大の強み。
 加盟店が決済に関するエンドユーザー向けサポートを自社で行う場合、スタッフの教育や人件費などのコストがかかる。同社は加盟店に対するサービスを充実させることで、本来の業務に専念できる環境を提供している。
 長年にわたる審査実績に加え、クレジットカード会社との連携体制により、審査から最短3営業日での導入も可能だ。

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