【Eコマース業界地図 「決済編」】QRコード決済はECに影響もたらすか

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 ECサイトの「決済」では、クレジットカード決済やコンビニ決済、代金引換(代引き)などに加え、後払い決済やID決済が一般化してきた。リアル店舗向けにQRコード決済の導入も進んでいる。本特集はECのウェブメディア「eコマースコンバージョンラボ(ecclab)」と共同で、ECサイト向け決済のサービスマップをまとめた。多様化している決済サービスの現状を把握し、柔軟に対応することで、顧客の取り逃がしを防ぐことができる。


 後払い決済は、女性や若年層などクレジットカードを持たないユーザーのニーズに応えるサービスとして導入が進んでいる。
 楽天市場は18年11月、決済サービス「楽天ペイ(楽天市場決済)」において後払い決済の提供を開始する。大手モールが後払い決済に対応することで、さらにサービスは浸透しそうだ。
 ECサイトへの導入が最も加速しているのはID決済だ。
 楽天IDで決済できる「楽天ペイ(オンライン決済)」、アマゾンIDで決済できる「アマゾンペイ」など大規模な会員基盤を持つECモールがサービスを積極展開している。
 自社ECサイトにおいて決済のハードルを下げるID決済は、転換率を向上できるサービスとしても期待を集めている。


無料化で導入進む

 EC決済への影響を注視すべきなのが、「QRコード決済」の動向だ。「QRコード決済」はリアル店舗向けのサービスだが、ID決済を提供している楽天やヤフーなども積極展開している。「QRコード決済」を切り口にユーザーが増えれば、EC決済の利用動向に変化が生じるかもしれない。
 LINEは8月1日から3年間、「LINE Pay」のQRコード決済の導入や利用にかかる手数料を無料化する。中小規模の店舗を中心に一気にサービスを普及させたい考えだ。
 ソフトバンクとヤフーの合弁会社で、決済事業を手掛けるPayPay(ペイペイ、本社東京都、中山一郎社長)は今秋、インド最大の決済企業と提携し、バーコードを使った新たなスマホ決済を開始する。加盟店が提示したQRコードをユーザーがアプリで読み取る方式の場合、店舗側が負担する決済手数料は、開始から3年間無料にするという。
 「無料化」攻勢により、シェアの奪い合いが進んでいる。各社は今後、利用促進のためのプロモーションをさらに強化するだろう。
 例えば「LINE Pay」の利用者が拡大した場合、ECサイトは「LINE Pay」のID決済に対応するメリットが高まる。「QRコード決済」の利用状況は、EC決済にも少なからず影響をもたらしそうだ。

LINEは「QRコード決済」の無料化を発表した

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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