【2022年 無店舗販売業界 市場予測〈通販・EC〉】 〈DX〉顧客向けのDXの流れも加速 (2022年1月1日新年特大号)

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 通販・EC企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化は、社内向けだけでなく、社外向け(顧客向けのサービスやプロモーション)においても、22年はさらに進んでいきそうだ。DXの活用により、コスト削減と売り上げ拡大の両軸から利益増加につなげる事例もある。
 通販・EC業界でも重要な取り組みになっており、個々の企業によるDX化の追求は進むとみられる。
 顧客に提供するサービスのデジタル化という観点で、21年はストリーム、エクスプライスといった大手家電ECが相次いで家電リサイクルサービスを開始した。
 あらゆるコト・モノのサブスクサービス化も進んでいる。日本サブスクリプションビジネス振興会による「日本サブスクリプションビジネス大賞2021」では、多種多様なサブスクの成功事例が目に付いた。コロナ禍が続く中、企業にとって、安定的な収益を確保できるサブスクサービスのビジネスモデルは、22年もますます広がっていきそうだ。
 顧客による問い合わせ対応のデジタル化も進んでいる。コールセンター企業では、ノンボイスチャネル、自動応答ツールの導入が進んでいる。
 アパレル通販企業や下着通販企業では、好みの着用感や、着ている服のサイズを入力することで、顧客ごとに適切なサイズの商品を提案する自動システムを導入が目立ってきた。下着ECのヘブンジャパンが21年8月から提供している「AIするブラ診断」は、顧客が入力した回答内容を基に、最適な商品を提案。現在もシステムの精度を磨いているという。
 こうした自動応答ツールの活用による省人化、コスト削減、顧客満足度の向上は、今後も注目されそうだ。利益向上と顧客満足度向上の両方につながるDX化をいち早く取り入れ、機能性を高めていく。この取り組みが22年の通販・EC市場で伸長するためには求められそうだ。
 言うまでもなく、ウェビナー、ライブコマースといった顧客接点のDX化も強化が欠かせない。
 店舗とリアルの融合という点でも、顧客の購買を促進するポイントシステムを、店舗とECサイトで統合するなど、DXを基盤とした融合は進んでいる。コロナ禍以降でスピードが増しているこの流れは、今後も強くなりそうだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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