【2022年 無店舗販売業界 市場予測〈通販・EC〉】 〈プラットフォーム〉新たな”売り場”台頭の予感 (2022年1月1日新年特大号)

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「TikTok」でライブコマースが当たり前になるかも!?

「TikTok」でライブコマースが当たり前になるかも!?

 通販業界の主戦場がオンラインになる中で、プラットフォームの影響力がますます大きくなるのは間違いないだろう。このプラットフォームは大手ECモールだけの話ではない。
 マーケティングで言えばグーグルやSNSは活用せざるを得ないし、ユーチューブやティックトックなどの動画プラットフォームの影響力も見過ごせない。あらゆるプラットフォームがグローバル化し、影響力を高めている。それらのプラットフォームを直接的にも間接的にも活用せざるを得ないのだ。
 販売チャネルとしてのECモールは、22年もますます存在感を高めるだろう。3大モールといわれる「楽天市場」「Amazon」「ヤフーショッピング」においては、物流がサービス競争の主戦場になっている。配送の迅速化、効率化、受け取り方の多様化は日増しに進んでいる。これらECモールに出店し売り上げ拡大を目指す手もあれば、ECモールの動向を意識しながら独自ドメインでの販売に注力する手もある。消費者が求めていて、ECモールに提供できないサービスはまだ多い。
 ECモールなどは影響力が増すことで、行政の規制も増していくだろう。「楽天市場」の送料込みラインの統一化は、公正取引委員会から「待った」がかかった。ECモールは今後もサービス強化や競争戦略のために、さまざまな新しいルールを作ると思うが、店舗の反発が多い施策には再び”待った”がかかる可能性はある。
 3大モールだけでなく、それ以外のECモールも伸びている。若い女性のユーザーを多く抱えている「Qoo10(キューテン)」は、21年の流通総額が前年比40%くらいで着地する見通しだという。新興モールも出ている。新たな売り場からも目が離せない。
 ECモール以外の巨大なプラットフォームがECモール化していく可能性も着目しておいた方がいいだろう。フェイスブックやインスタグラムなどのSNS、ユーチューブやティックトックなどの動画プラットフォームなどもEC機能を段階的に強化している。ティックトックの中国版である「Douyin(ドウイン)」にはライブコマース機能が付いており、大きな商流を生み出している。同じように中国の動画プラットフォーム「bilibili(ビリビリ)」もライブコマース機能があり、その流通額の成長率は、「天猫(Tモール)」や「京東(JD.com)」をはるかにしのぐという。
 国内でも新たなECプラットフォームが突如として存在感を高める可能性があることも忘れてはならない。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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