【食品宅配 インタビュー】 オーシャンシステム 樋口勝人社長/オフィスで接点、食品宅配を強化

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 新潟県内で食品スーパーやオフィス向けの弁当宅配、ヨシケイの夕食食材宅配のフランチャイジー(FC)を手掛けるオーシャンシステム。近年は弁当宅配の顧客先企業で働く従業員を軸に、ネットスーパーや夕食食材宅配の利用も促すなど顧客との接点を広げている。将来的には、スマホ決済を積極的に導入することで、自社サービスをキャッシュレスで利用できる環境づくりを目指している。樋口勝人社長に聞いた。

 ─ネットスーパー「みんなのマルシェ」を15年に開始した。どのようなサービスなのか。
 食品スーパーを運営する中で、ネットスーパーに関心を持っていた。共働き世帯が増加する中で、忙しい人は昼に当社の「フレッシュランチ」を利用している。仕事が忙しいとスーパーに買い物に行く時間がない。こうした課題を解決する手段として始めたのがネットスーパーだ。
 以前からヨシケイのFCとして食品宅配事業は手掛けてきたが、カットされた食材以外の食品や雑貨を宅配するニーズがあると感じていた。取り扱い商品は、店頭のスーパーにある商品を基本として、一部の家電製品や産直品はメーカーや産地から直接発送している。
 サービスは、毎週決まった曜日に届ける「定期宅配」と注文の翌日に届ける「翌日宅配」の2種類がある。ユーザーが、フレッシュランチやヨシケイの顧客であれば配送料を無料にしており、付加価値として提供している。
 ─開始して3年が経過しているが手応えは。
 現在会員数は4000件(世帯)で、「フレッシュランチ」を利用する8万人からすればまだまだだ。
 将来的には、自宅に届けるのではなく、スーパーに宅配ロッカーを設置してピックアップできたり、オフィス内で受け取れるサービスも視野に入れている。
 ─オフィスで働く従業員向けのBtoEにも進出している。
 オフィス向け弁当宅配事業「フレッシュランチ」で契約している約8000社(対象は約8万人)に対し、オフィス内でお菓子やカップ麺、飲料などを購入することができる「オフィスdeプチチャレンジャー」というサービスを提案している。今年4月から試験的に開始し、現在新潟県内の140カ所のオフィスに無料で設置している。このサービスは、設置場所や弁当の容器にQRコードがあり、スマホだけで決済できるのが大きな特徴だ。
 弁当宅配事業のほか、当社は、全体の売り上げの8割を占めるスーパーマーケット事業「チャレンジャー」が軸だ。新潟県内に10店舗構えている。
 ─ヨシケイ事業についてはどうか。
 ヨシケイ新潟、群馬、北海道の3地区でFCを手掛けており、18年3月期の売上高は45億円だった。
 ヨシケイの商品は、店頭で手に入るものではないため、顧客との接点を確保するのが大きな課題だ。新規顧客開拓は、在宅率が低下していることもあり、苦戦を強いられている。ポスティングによるアプローチも年々難しくなっている。一方で、「ミールキット」に対する消費者のニーズはますます高まってくると思う。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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