【2017年度 食品宅配売上高ランキング〈業界分析「百貨店系宅配」〉】 高島屋、外商営業に成果/阪急キッチンエール関西・九州は減収に

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 百貨店系食品宅配では、外商営業マンを活用した顧客獲得施策が奏功している高島屋の「ローズキッチン」が順調に業績を伸ばす一方で、阪急キッチンエール関西と九州は前期比3%減収となった。三越伊勢丹が展開してきた「エムアイデリ」は18年3月に食品宅配事業から撤退し、6月からオイシックスの支援のもと、食品ECのサブスクリプションコマース「ISETAN DOOR(イセタンドア)」に切り替えた。
 阪急キッチンエール関西は、営業の軸足を新規会員獲得から既存会員の稼働率向上にシフトし、会員フォローを徹底。会員登録後、初回購入時に電話をかける「サンキューコール」を実施したほか、新規入会から3週間後に電話をかけたり、ダイレクトメール送付を行った。購入額3000円以下の送料を値上げした影響から、顧客単価は上昇したものの、購入頻度が低下したという。
 阪急キッチンエール九州では、イベント会場での新規獲得を取りやめ、既存会員からの紹介にシフトした。会員稼働率はほぼ前年並みだったが、1回あたりの購入単価はアップした。
 関西同様、入会から半年の間に「サンキューコール」を実施したほか、入会6カ月未満の会員への特売品の販売などで早期離脱防止を図ったことが成果につながったという。
 関西は、共働き世代や高齢者の会員を増やして、地域での優位性を目指す。また、顧客データを分析、活用することで商品開発や新サービスの導入につなげて購入頻度を高める。
 九州では、地域包括支援センターやケアマネジャーと組み、従業員や施設の入居者紹介の獲得につなげる法人営業を強化する考えだ。
 百貨店系宅配は、店舗に来ることができなくった優良顧客に対して、宅配や通販を通じて継続的に購入してもらうのかが事業の業績を左右しそうだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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