【2017年度 食品宅配売上高ランキング〈業界分析「高齢者向け弁当宅配」〉】 ワタミ、販売員報酬制度見直し/FC系は加盟店支援を強化

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 高齢者向け弁当宅配企業はおおむね好調だ。最大手のワタミは前期の売上高が4期ぶりに増収となった。シニアライフクリエイト、シルバーライフなども2桁増収だった。シニア市場が拡大する中で、弁当を単に配達するのではなく、顧客との会話を通じて、信頼関係を構築し、継続利用につなげることを強みに各社は業容を拡大している。
 ワタミが4期ぶりに増収に転じた理由について、曽我部恭弘執行役員・宅食事業本部長は「販売員数の増加が売り上げに直結している」と分析する。西日本エリアで販売員の確保ができたことを最大の要因にあげた。ワタミでは今年4月から、報酬制度も見直した。一定数の顧客を同社が事前に用意するか、一定の報酬(数万円)を固定の報酬として選べる制度を新設。販売員ではなく、営業所長が販売員の適正に応じて選べるようにした。
 シニアライフクリエイトは、配送の空白地域を減らすため、加盟店を増やす取り組みに注力。FC支援では、遠い地域まで配送する際に、人件費やガソリン代などを半年間にわたって本社が負担する仕組みを継続した。空白地域をなくすことで顧客獲得を進めた結果、既存の加盟店に加えて、2〜3年以内に開業したFC店舗の売り上げが順調に伸びた。
 加盟店は前期に比べ10社多い341店に増えた。高齢者1万5000人が住む地域を基準とする「契約配送エリア」は41エリア増の1073エリアとなった。新規加盟店は、地域密着型のドラッグストアなど異業種で、顧客との接点を増やすことを目的に加盟する企業が増えた。1人当たりの月間の平均購入単価は1万4000円ほどで、前年と比較し約10%上昇している。
 シルバーライフの18年7月期における売上高は、FCの加盟店が63店増えたことから前期比24.8%増の65億4700万円。FC合計の売上高は110億円だった。今年から始めた高齢者の見守りサービス「シルバーライフ安否確認アプリ」は、遠方に住む家族からの利用の問い合わせが増加し、新規顧客獲得につなげた。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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