【2022年 無店舗販売業界 市場予測〈訪販・NB〉】 〈法改正〉「改正特商法」「インボイス」に注目集まる (2022年1月1日新年特大号)

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 訪販市場では、22年から23年にかけて、さまざまな法改正が行われる。本紙はこのほど、訪販・ネットワークビジネス(NB)事業者に、21年から23年にかけて施行される予定の法改正の中で、影響の大きそうなものを選んでもらうアンケート調査を実施した。その結果、「改正特商法」「インボイス制度」の二つを挙げる声が多かった。特商法改正に伴い、「契約書面・概要書面の見直し」が必要になると多数の事業者が感じていた。インボイス制度の開始に伴う「販売員や会員の消費税の申告のサポート」といったことも、22年に取り組むべきこととなりそうだ。
 アンケートでは、改正特商法について、「具体的な影響がありそうだ」と回答した事業者が16社に上った。
 アンケートでは、「特商法の電子契約書面の導入により、納品書や概要書面など、どこまで電子化に対応すべきか、検討が必要」(シャルレ)といった意見や、「電子契約書面の交付の仕方の決定によって、概要書面などの配布方法の見直しが必要になる」(ナチュラリープラス)といった声が聞かれた。
 契約書面の電子化については現在、消費者庁で検討会が開かれており、関連する業界団体に対するヒアリングが行われている。
 電子書面の交付の仕方や、電子書面の交付の承諾の方法について、現時点では具体的なとりまとめはされていない。ただ、検討会では、多くの消費者団体から、「承諾を取る消費者のデジタル対応能力を確認すべきだ」とする声が上がっており、交付の要件に盛り込まれる可能性もある。22年春ごろに、取りまとめられる予定だ。
 アンケートでは、インボイス制度について、「影響がありそう」と回答する企業が14社あった。中には、「業務委託で採用している営業スタッフに対する申告のサポートが必要」(エイジアクリエイト)「インボイス制度対応のために、システムの改修や販売員教育の経費が必要。収益構造の再検討も必要」(モデーアジャパン)とする意見が寄せられた。「ボーナス形態の見直しが必要」(DAIYAMONDLIFE)とする反応もあった。
 インボイス制度では、訪販の販売員やNBの会員が適格請求書(インボイス)発行事業者として登録すると、売り上げの規模にかかわらず、本社から支払われる報酬については、消費税の申告・納付の義務が発生することになる。一方、販売員・会員が登録を行わなかった場合、その会員への支払い分について、事業者側は、仕入れ税額控除が受けられなくなる。
 ただ、経過措置として、制度開始から3年間は、非登録事業者への支払い分の80%を、仕入れ税額控除に算入することが認められている。さらに、26年10月から3年間は、支払い分の50%を算入できる。登録を促す場合、多くの販売員・会員を抱える企業は、時間をかけて、一人ずつ対応を行っていく必要がありそうだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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