【2022年 無店舗販売業界 市場予測〈訪販・NB〉】 〈人材確保〉時流を捉えた採用方法が鍵 (2022年1月1日新年特大号)

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 22年度における訪販業界の人材確保は、時流を捉えた採用や募集方法が鍵と言える。それぞれの動向を業界ごとにまとめて紹介する。

〈化粧品訪販〉

 化粧品訪販各社では、コロナをきっかけに、販売員の数が減少している。
 コロナ禍で顧客との接触の機会が失われ、「売れなくなったので、この際、辞めてしまおう」などと、高齢の販売員ほど、引退を選択してしまうケースが多い。
 最大手のポーラでは20年12月末時点で、販売員の数がコロナ前比で5000人減少した22年は、引き続き、対面での販売機会が限定されることが予想される。
 化粧品訪販はこれまで、顧客を販売員としてリクルートするケースが一般的だった。22年も新規顧客の獲得は難航することが予想されることから、顧客に対するリクルートではなく、別の手段で販売員を募集・採用する方法の模索が必要になる。

〈食品宅配〉

 22年に業界共通の課題となりそうなのが営業・配送員の確保だ。ヨシケイ開発では「21年は業績が上向いたため前年並みに確保できたが、22年は人材の確保に苦戦するものと感じている」とみている。コロナ後を見据え、生協や飲食店、配送業者との人材獲得競争が激しさを増すことが予想される。離職者を防止すると同時に、配送代理店を活用するなど、自社配送網以外の選択肢も視野に入ってきそうだ。

〈宣伝講習販売〉

 新卒採用では、22年以降は新卒者の確保がより厳しくなってくると予想される。コロナ禍で採用を抑えてきた企業が、採用を再開させることで競争が激しくなり優秀な人材の獲得が難しくなりそうだ。
 若手を中心とした店長の育成も急務だ。店長が増えなければ移動店舗を増店することもできない。業界では、店長の高齢化が課題。コロナ後を見据えて、若手社員の登用を進めると同時に、労働環境を改善して離職者を減らし、優秀な人材確保に力を注ぐことがより重要になりそうだ。

〈住宅設備〉

 住設訪販では、昨今高まる再生可能エネルギーや地球環境に対する意識の向上と相まって、採用は上向き状況である。
 世論の情勢に加え、ウェブリテラシーが向上しており、SNSの活用やホームページの見せ方などに工夫を凝らしている。これまで不透明とみられてきた、会社の実情をSNSやウェブサイトを通して社内の見える化を進めている。これらが奏功して、新卒や中途採用含めて、好調に人材の獲得ができている状況にある。
 動画の活用やテレビCMの放送などにも注力。企業のブランディングや認知拡大などの施策も人材獲得が進んでいる要因の一つとなっている。

〈N B〉

 NB(ネットワークビジネス)では、副業を求める人が増えているという追い風もあり、業界外からの新規会員が増えている。
 リーダーの統率力や商材によって左右されることは従来と変わらない構造だが、教育を軸とする企業の業績も伸長しているため、主宰会社の魅力次第で、優秀なリーダーを獲得できる状況であると予想される。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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