【水機器・水素関連製品】 〈インタビュー〉アクアバンク 竹原タカシ社長/水素吸引市場、今後の認知拡大に期待(2021年4月29日・5月6日合併号)

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 水素関連製品のアクアバンク(本社大阪府、竹原タカシ社長、(電)06―6265―1034)は、ポータブル水素ガス吸引具「KENCOS4(ケンコスフォー)」が発売開始から3年半で累計販売台数が4万台に達するなど好調だ。テレビやカタログの通販、ネットワークビジネス(NB)、訪問販売といった無店舗販売のほか、家電量販店やエステサロンといった幅広い業種からニーズが高まっている。昨年10月からは、コンビニでの販売も始まっている。竹原タカシ社長に、水素の可能性と今後の事業戦略について聞いた。

 ─「ケンコス4」の販売状況はどうか。
 対面での提案が難しくなったことで、製品を試す機会が減少し、イベントや展示会などで対面販売する機会が減少した。一方で、テレビ通販やカタログ通販などの販売が好調だ。最近では、百貨店の外商営業が当社の「ケンコス4」を取り扱うことが増えており、コロナ禍ではあるものの、販売台数はそれほど変化がない。百貨店が顧客向けに行う販売会などに営業社員がフォロー提案することで販売につなげている。
 ─テレビ通販が好調と聞く。
 テレビ通販は、19年11月に販売を開始し、年間6000~7000台売れている。現在は、BSやCSでの販売だが、地上波放送ではないにも関わらずニーズの高さがうかがえる。
 販売方法も工夫している。分割払いを活用すれば、毎月定額で利用できるということを訴求している。商品の機能性を訴求すれば消費者にその良さを理解していただける証左だろう。
 ─ファミリーマートでの販売も開始した。
 昨年10月にファミリーマートで販売を始めた。関西地区のフランチャイズ(FC)8店舗で展開している。これまで以上に多くの方々に「ケンコス」を知っていただく機会を得ることができた。
 コンビニでは、4万円の商品は実際売れるのか。ただ、月に1~2台でも売れれば、店舗にとって大きな収益源になる。現在のところ、1カ月あたり0・5~0・8台ほどが売れている。このことから、4万円の高額製品であってもユーザーニーズと合致すれば、売れることが実証された。また、本体が売れることで、消耗品であるフレーバーが安定した売り上げになる。
 現在は、喫煙の代わりにケンコスといった禁煙をキーワードに訴求しているが、コンビニもたばこの消費が減る代わりとしてケンコスのフレーバーに期待しているところもあるようだ。実施店舗からも好評で、販売店舗数を大幅に増やす計画もあがっている。
 ─海外からの引き合いも増えている。
 東南アジアからの引き合いが多い。現在は、マレーシアの企業で独占販売権の交渉を行っている。フレーバーも現状の商品だけではなく、現地にあったものを開発していく。例えば、マンゴー味やチョコレート味など、吸うことで満腹中枢を満たすようなラインアップの開発に着手している。
 ─エビデンス取得も積極化している。
 リラックス効果や脳ストレス、認知症、肌、睡眠などの試験を行うなどエビデンス取得を進めている。現在は、目に対する機能性を確認する試験結果について学会発表をする準備を進めている。
 今年1月には新たに水素ガスを目の周りに充満させる「KENCOS 水素eye ゴーグルセット」を発売した。ケンコス本体にゴーグルをチューブでつなぐだけで使用できる。ケンコスから発生する水素ガスを目の周りに充満させることで「目の水素浴」を体感できる。
 「水素供給用ゴーグル及び水素供給用ゴーグルを用いた眼球への水素投与ユニット」として特許を出願済みだ。発売に併せて、実証テストを20年12月に実施している。
 ─コロナ禍で水素マーケットに対する変化はあるのか。
 コロナ禍で健康意識が高まる中、国内よりも海外のほうが水素の良さに注目するような傾向が見られる。
 水素吸引の市場はまだまだ限られた人にだけの利用にとどまっている。まだまだ、伸びしろがあるため、正しく認知が高まることでもっと広がる可能性があるだろう。今後の認知拡大に期待したい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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