1954年創業の花島シーマン(本社東京都、花島惠子社長、(電)03―3602―5135)では、化粧品のOEM事業を展開している。同社では、1000本からスキンケア全般のオーダー化粧品を作ることができる。そのため、新たに化粧品事業に参入したいという企業からの問い合わせが増えているという。医薬部外品の製造や、ヴィーガン認証を取得した化粧品など、幅広いジャンルに対応できる点が、同社の強みだという。50年以上OEMを行ってきた実績も、信頼につながっているようだ。異業種からの化粧品参入事情について、渋谷太一専務取締役に話を聞いた。
─異業種からの参入が増えていると聞くが。
健康食品や食品業界を中心に、化粧品を販売したいという企業は増えている。健康食品業界で多いのは、売れ筋商品と似た成分を使った化粧品の開発依頼だ。健康食品と化粧品では、メインとなる顧客層が重なるため、既存顧客へのアプローチで売り上げが見込めるという利点もある。
化粧品は利益率が高い商品も多い。食品を販売する企業などは、化粧品市場に参入することにより、安定した利益を得ようと狙っているようだ。
最近は、提案型のOEM企業が増えており、自社工場で製造していない企業も多い。老舗の知見を生かした提案力に加え、自社工場を持つといった点も、評価されているのかもしれない。
■高いリピート率が特徴
管理方法など途中で変更になったため、事業開始以来の数字というわけではないが、管理システム導入以降で、350社以上の取引実績がある。現在でもその内の200社近い企業が取引を続けてくれている。多くの企業が、長い取引を続けてくれているのも当社の特徴だ。
─人気のある成分は。
近年では、「ナイアシンアミド」の需要が増えている。ナイアシンアミドは、美白をはじめ様々な効果がある。当社では、早い段階からナイアシンアミドを取り扱っていたこともあり、現在も需要は非常に多い。
当社では、ナイアシンアミドに関して、医薬部外品の承認を取得している。美白での取得が多いが、抗シワとのダブル効能での承認も取得している。
こうした点や、幅広く顧客の要望に対応している点などが、他社との差別化にもつながっていると考えている。
─依頼が多い企業の規模感は。
依頼がくる企業は、数人体制の企業から、従業員数が1万人を超える企業まで、さまざまだ。
大手OEM企業では、ある程度のロット数がないと難しい場合が多い。一方、小ロットでも受けてくれる企業の中には、安心して依頼できない企業も多いと聞く。
当社は、老舗でありながら、小ロットでも対応できる、「ちょうどいい規模感」の企業を目指している。今後も、新規参入企業をサポートできる存在であり続けたいと思っている。
─今後の化粧品市場についてどう考えているか。
化粧をする年齢の幅が、年々広がってきていると思う。小学生が化粧をすることも、珍しくなくなってきた。高齢者の化粧需要も増えているだろう。
男性用化粧品についても、徐々に増えてきている。
コロナ禍を経て、マスク需要や、オンライン需要の高まりに合わせた化粧品も増えている。今後も時代に合わせた化粧品の需要は、ますます増えていくだろう。
【健康食品通販支援サービス <インタビュー>】 <創業68年で多数の実績> 花島シーマン 渋谷太一専務取締役/化粧品事業への参入をサポート(2023年3月30日号)
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