【住設訪販】 〈インタビュー〉エナジークオリティー 大友晴喜代表取締役/震災経験を糧に、再エネ普及(2021年8月5日・12日夏季特大号)

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大友晴喜代表取締役

大友晴喜代表取締役

 太陽光発電や蓄電池の訪問販売、フランチャイズ(FC)事業を展開するエナジークオリティー(本社埼玉県、大友晴喜社長)は、東日本大震災の経験を糧に、再生可能エネルギーの普及に取り組んでいる。再エネの普及を加速させるため、昨年からFC事業を開始。現在20社が加盟する。FCを開始した当初の3カ月間は、200件を超える問い合わせがあったという。大友社長は、被災者の一人であり、電気のありがたさを肌で感じた経験者。自身の経験を会社の理念に掲げて取り組む姿勢に、共感する事業者も多く、FC事業の根幹を支える要素にもなっている。大友社長の事業構想やFC展開について、話を聞いた。

 ─業績の進捗について。
 FC事業がどれくらい軌道に乗るかで、業績は大きく変わる状況だ。当社の決算期は5月。来年までにさらに加盟店を増やし、加盟店と一緒に販売活動を促進していけるかがポイントだと感じている。
 昨年9月にFC事業を開始して、現在20社が加盟している状況だ。開始当初は、3カ月間で200件以上の問い合わせを受けた。今も1日2件の問い合わせがきている。少なからず、当社のFC事業に興味を持つ企業が多い。47都道府県全てに、FC店を構えるのが目標だ。まだまだ道半ばなので、さらなる認知拡大が必要だと言える。
 ─FC事業は一見、管理が難しそうに見える。
 管理という面では、加盟店が増えれば増えるほど、FCのブランドに傷が付かないような対策を講じる必要はある。昨今は省エネ商材の需要は高まっており、過度な営業トークにならないようコンプライアンスは注視していかなくてはいけない。
 現在、加盟店になる前の審査も厳しく実施している。契約時の確認や、営業研修を通してもしっかりと伝達している。
 加盟店とは常時、SNSで繋がり、すぐに連絡できる体制を敷いている。加盟店の責任者1人に登録してもらい、通常の連絡以外に、行政による処分事例など、注意喚起を含めて伝えている。
 加盟店との定期的なミーティングは実施していないが、1週間に1回はこちらから声掛けしている。小まめに連絡することは、加盟店との関係性構築にも繋がるとみている。
 ─FC事業の鍵を握るポイントについて。
 鍵となるのは、FCの目的とスキーム。FCを始めたのは、コロナ禍の影響で、苦境にあえぐ、企業や個人事業主を助けたいという思いが契機。私自身が震災経験者であり、親と友人を亡くし、長期間の停電も経験した。震災で亡くなった人たちの思いを背負って、今を生きる子供たちの未来を守っていきたい。
 理念がFCの根幹にあるため、FCの加盟店も当社の思いに賛同してくれる人が多い。当社の思いが伝播していけば、おのずと販売にも、良い影響が出ると思う。
 従来のFC展開のように、本部が多くの利益を取るような仕組みにはしていない。月額固定性という破格の値段設定を用いて、1件あたりの成約単価も明瞭会計にしている。事業展開のしやすさは、再エネ普及を加速させる要因にも寄与する。
 営業活動以外の商材や工事も当社が手配している。加盟店は身体一つで事業を始めることができる点が魅力だ。営業研修も3日間用意し、研修を終えても営業に不安がある場合は、同行できる体制を敷いている。
 ─今後の施策について。
 FCを開始して感じたのは、業界未経験者の登録が多いこと。住設訪販で活動する企業の登録もあるが、飲食店や建設業など、異業種からの登録も多い。異業種でもしっかりと結果が出せている状況のため、異業種を巻き込んでいくこともポイントだ。
 他にも、最近では太陽光発電や蓄電池、オール電化の見積もりを一括して比較できるサイト「シキエネ」を開設した。サイトに登録する事業者には顧客を無料で紹介する仕組みを構築し、FC事業とのシナジー効果を見込んでいる。サイトの信頼性や信ぴょう性を高めるため、私の顔写真も掲載。情報を見える化している点もサイトの強みだ。
 地域貢献にも積極的に取り組んでいる。現在、仙台市青葉区で活動する少年サッカーチーム「AOBA FC」とスポンサー契約を結んだ。事業だけでなく、地域と一緒に成長する土台を作っていく。

オール電化の見積もりを一括して比較できる「シキエネ」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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