【住設 特集】 〈インタビュー〉日本エコライフ 佐藤政彦社長/21年テーマは”王道”ブランディングにも注力

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太陽光発電・オール電化、蓄電池などを販売する日本エコライフ(本社宮城県)は、本格的に稼働したグループ会社「日本エコライフホールディングス」を軸に、住宅事業にとどまらず、水宅配、ECなど事業領域の拡大を進めている。国内全ての戸建住宅を対象に太陽光発電システムを設置するためのプロジェクト「ゼロ円太陽光」も推進。プロ野球の楽天ゴールデンイーグルスを冠した蓄電池を刷新するなど、ブランディングにも力を注ぐ。21年のテーマに”王道”を掲げる佐藤社長に話を聞いた。

 ─20年10―12月期(純第3四半期)の状況はどうか。
 コロナ禍で落ち込んだ業績がコロナ前の状況まで回復してきた。このほど、過去3年間に契約した6000件にのぼる顧客にダイレクトメール(DM)を送付した。メンテナンスを中心としたご案内とお困りごとをヒアリングするのが目的だ。
 また、過去に商談はしても契約に至らなかった消費者に製品のDMを過去3年分発送しようと考えている。宮城県内ではテレビやラジオCMで訴求しているので、以前に比べれば知名度も高まっていて、日によっては10件を超える反響がある。契約には至らなかった方に、価格帯が多様な当社の製品ラインアップを改めて地域最安値でテレビCMで訴求していきたいと考えている。
 ─「ゼロ円太陽光プロジェクト」も新しいバージョンに切り替える。
 商社機能を持つグループ会社の日本エコライフホールディングスがメーカーや新電力サービス会社と業務提携して、価格帯の多様なラインアップも増やしている。
 商談の際に値引きをして販売するくらいなら、企業努力して最初から製品の価格を抑えることが重要だと思う。当社が推し進める「ゼロ円太陽光プロジェクト」で差別化を図ると同時に製品ラインアップを増やしたい。
 ─新築住宅の施主に対する提案も始める。
 既築だけではなく、新築への提案も始める。従来はウェブサイトを活用し発電効率の良い既築を探してソーラーパネルの提案を行ってきた。今後は、蓄電池を購入すれば、当社の提携先がソーラーパネルを3kwシステム、5kwシステム、8kwシステムなど無料で付与するサービスを本格的に導入し、全国的に取次店を募集する予定だ。
 新たな「ゼロ円太陽光プロジェクト」では、オムロン製の蓄電池6・5kwと太陽光発電ステム約3kwを月額1万8500円で利用できるようにし、金利や手数料は当社が負担し、お客さまに負担をかけない仕組みを構築できた。これにより当社の営業マンは、蓄電池を販売することに専念できるようになる。
 地域の工務店をホールディングスがM&Aすることで、住宅事業への参入も視野に入れている。蓄電池や太陽光・オール電化を設置し、モデルルームとして活用することもできる。
 広告代理店業務も行う。現在、地元のテレビ局やラジオ局にCMを発注しているが、こうした業務をホールディングスで担えるようにした。当社がスポンサーをしているプロ野球・楽天ゴールデンイーグルスの練習着にロゴを入れることや、スタジアム内のバックスクリーンに大看板を設置することも決まった。
 ─既存顧客へのサービスを拡充する。
 太陽光発電システムを購入したお客さまは購買意欲が高く、当社が用意する商品やサービスに対する期待感も高い。既存客との接点を増やす目的で、これまで契約した1万人超える顧客が、化粧品や健康食品、雑貨などといった商品を購入できる仕組みを導入する。
 農業も始める予定で、「日本エコライス」という無農薬のコメを栽培して販売する計画だ。21年2~3月をめどにホームページを刷新し、EC機能を付加する予定だ。
 先行して衛生関連製品の販売を始めた。20年10月から、カルテック社の販売代理店となり、空気清浄機「TURNED k(ターンド・ケイ)壁掛けタイプ」「首掛けタイプ」などの取り扱いを開始した。
 そのほか、水宅配のプレミアムウォーターの代理店となって、既存客への提案を始める。定期的に顧客のもとを訪問することで接点を増やしていきたい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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