韓国アフロゾーンの日本法人で、ヒト幹細胞培養液化粧品「ルビーセル」シリーズを主軸に展開する、アフロゾーンジャパン(本社東京都)の業績が好調だ。20年3月期の売上高は、前期比21.4%増の8億5000万円だった。昨年10月に開催した宿泊を伴う「リーダー研修セミナー」をきっかけに、フィールドのモチベーションが高まったことで、ビジネス志向のリーダーが増えた。また、コロナ禍をきっかけに副業として安定的な収入を得られるNBビジネスの魅力がリクルートをさらに加速させたという。金社長に好調の要因と幹細胞培養液の可能性について聞いた。
─20年3月期の業績について聞きたい。
売上高は前期比21.4%増の8億5000万円。アクティブ会員数は同1.7倍の約5500人で、毎月400~500人のペースで会員が増えた。特に19年夏以降の成長が著しく、19年12月は単月で初めて1億円を突破し、20年3月は単月で売上高1億700万円と過去最高を更新した。
これまでは特定の地域の有力な会員による組織の広がりが中心だった。しかし、全国的にビジネス志向の会員が増えたこともあり、首都圏が堅調だったほか、北海道で急速にグループが拡大した。大阪や九州でも、精力的にビジネスに取り組むメンバーが増えている。
─業績好調の要因は。
主力のヒト幹細胞化粧品「ルビーセル」の製品力はもちろんだが、19年1月に改定した報酬プランの魅力がフィールドに定着してきたことが大きい。
また、19年秋に開始した1泊2日の宿泊研修「1dayセミナー」では、韓国からトップリーダーを招いてトレーニングを行った。参加したビジネスメンバーのモチベーションが高まったことも、業績を押し上げる要因になった。
このほか20年1月には、美容液の内容成分をバージョンアップした。新成分の「APL―Pro」は、より微細なリポソーム化を実現しており、会員からは「浸透が良くなった」という感想をもらっている。
─コロナ禍の影響で、4.5月度の状況はどうか。
新規登録数は3月などと比べても大きく変化はなく、月400~500人の登録があった。この間、本社は具体的な支援は行わなかったが、フィールドではオンラインツールを有効的に使うなど、会員自らが主体的にビジネス活動をしていたようだ。
会員の中には、副業としてアフロゾーンジャパンのビジネスに取り組んでいる人も多い。そのため、本業がコロナの影響を受けていても、当社のビジネスで安定した収入を得ることができることを再認識した会員が多いように感じている。
一方で、思うようにビジネス活動ができなかった会員のために、通常の4割引きで購入できる詰め合わせセットを販売したところ、会員の皆さまからは好評だった。
─幹細胞製品を扱う競合他社が増えている。御社の強みは何か。
美容液を噴霧するスプレーガン「エアブラシ・システム」だ。他社には真似できない技術を用いた製品であり、外見でも十分に差別化できている。韓国の自社工場で製造している点も大きな強みだ。
「ルビーセル」の製品力は誰もが認めるところなので、幹細胞化粧品のプレーヤーが増え、消費者の認知が高まることは歓迎すべき傾向である。
─新型の「スプレーガン」を発売する。
充電式で持ち運びやすいポータブル式のスプレーガン「ハンディエアシステム」を新発売する。現行モデルと同等のミストを噴霧できる性能を保ちながら、大幅な小型化に成功している。開発には1年もの歳月を要した。
新型のスプレーガンは、韓国では4月22日に発売した。しかし、海外市場向けの生産は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて遅れている。6月には予約販売を開始し、国内での発売は7月頃を予定している。
─コロナ禍だからこそ「スプレーガン」の強みを生かせる。
新型コロナウイルスの影響で、サロンなどで顧客に化粧を施すのはやりにくいという課題も出てきている。当社の「スプレーガン」は手を使わず、相手に触れずに施術ができるので、そうした懸念がない。この点を強く訴えていきたい。
─今期の戦略について。
21年3月期の売上高として、15億円を目標に掲げていた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、6月に韓国で開催予定だったグローバルコンベンションが延期になったほか、日本国内で独自に計画していた高級外車プロモーションも見送った。リーダーセミナーを今年は開催できない状況を鑑み、大幅な収益の減少にともなって当初の目標には若干届かない可能性もある。
それでもフィールドのモチベーションは高く、4月・5月の売り上げは目標の7割近く達成した。韓国も含め、世界の拠点の中でも日本は善戦していると言える。こうした状況を前に、あきらめるのではなく、状況に応じた施策に全力を尽くしたい。
【NB化粧品】 〈インタビュー〉アフロゾーンジャパン 金勉公社長/コロナ禍きっかけにリクルート加速
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