【<BENLYMANのこれだけは知っておきたい!>越境EC】第5回〈関税について〉/「関税率」を調査し問い合わせに備えよ

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JETRO経由で「ワールドタリフ」に登録すると無料で利用できる

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 国内のEC事業者さまが越境ECを開始すると、海外のユーザーは、商品を購入する前でもメールや電話、チャットで、多岐にわたる内容の問い合わせを送ってきます。商品に対する質問があったり、送料についての問い合わせがあったり、海外の業者からは「大量に仕入れたいので打ち合わせをしたい」と相談されたり、その内容はさまざまです。
 問い合わせの中でも、個人・法人に関わらず多いのが、「関税はどのぐらいかかるのか」という質問です。関税の税率については国ごとに異なりますし、「個人向け」か「法人向け」かによっても税率は変わってきます。商品によっては発送できない国もあります。まずは販売している商品が「どこの国に発送できるのか」「関税はどのくらいかかるのか」を確認することが必要です。
 では、どのように確認すればよいのでしょうか。 国内から関税調査をする際は、FedExが提供しているオンライン関税データベースの「World Tariff(ワールドタリフ)」を利用するのがよいでしょう。「ワールドタリフ」はすべて英語で記載されていますが、MFN関税率(WTO加盟国 160カ国に適応される通常の関税率)や、GSP税率(開発途上国などに適応される特恵税率)、輸出入にかかる関税以外の諸税について確認することができます。
 通常、「ワールドタリフ」で関税率を検索するには1回あたり7ドルの費用がかかりますが、日本在住のユーザーは日本貿易振興機構(JETRO)を経由して「ワールドタリフ」のアカウントを取得すると無料で関税率を調べることができます。JETRO経由でログインすると、検索ページが出てきて、輸出する物品名称をテキスト入力する検索や、HSコード(輸出入における商品分類番号)による検索を選ぶことができます。
 物品名称は一般的には使われていない「正式名称」で登録されているケースが多く、いくら検索しても該当商品と一致しないことがあります。そのため、海外発送したい商品のHSコードを事前に調査しておくことをお薦めします。HSコードは、全国の貿易統計が掲載されている「財務省貿易統計」サイトから確認することができます。


(続きはネット経済新聞3月31日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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