【気になる動向を徹底分析! Amazonレポート】第8回 商品レビューの信頼性強化に努めるアマゾン(2021年10月7日号)

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 アマゾンでは不正レビューがたびたび問題になっています。不正レビューに対してアマゾンも対策を行ってはいますが、いたちごっこの状態がずっと続いています。しかし、今年に入ってからは、アマゾンが不正レビューに対してこれまで以上に厳しい対応をとっており、注目が集まっています。今回は、商品レビューに関する最近の主な動きをご紹介します。


■大量のアカウント閉鎖

 アマゾンは今年5月頃から、不正を行ったとみられる事業者のアカウントを突如閉鎖していることが分かり、話題となっていました。アマゾンはアカウント閉鎖の主な理由が、まさに「不正レビュー」であることを発表しています。アマゾンはこれまでも、不正レビューに対して、レビューを削除するなどの措置を行ってきていましたが、今回は、不正レビューを行う事業者のアカウントそのものを閉鎖するという措置を行いました。今まで以上に厳しい対応をとったといえるでしょう。
 なお、今回アカウントが閉鎖されたのは中国の事業者がほとんどでした。つい先日には、「閉鎖された事業者は約5万店舗、損失額は日本円にして約1兆7000億円を超える」との報道もありました。中国の越境ECの中心地である深セン市では、このアカウント閉鎖により、売り上げが大幅に下がり、雇用にも大きな影響が生じてしまっているようです。これほど大きい規模になると、今後の展開として、中国の事業者とアマゾンとの間で、法的闘争に発展する可能性もあるのではないかと注目しています。
 ただ、5万店舗ものアカウントを閉鎖すれば、アマゾンとしても、各種手数料をはじめとした売り上げが、一時的かもしれませんが、減少してしまうと考えられます。大きな痛みを伴っていると考えられます。今回は、見せしめ的に不正を排除する狙いがあったとも思いますが、それだけ不正レビューの取り締まりに対するアマゾンの本気度が伝わってくる動きだといえるでしょう。今後はアカウント閉鎖になった事業者の売り上げが、不正を行っていない事業者へと流れていくことを期待したいです。


■商品レビュー関連機能

(続きは、「日本ネット経済新聞」10月7日号で)

〈著者プロフィール〉
 比良益章(ひら・ますあき)
 2006年楽天入社、ECコンサルタント、マーケティング担当などを経験。2009年アマゾンジャパン入社、新規開拓営業、コンサルタント業務に従事し、5期連続でトップ成績を獲得。2010年アグザルファ設立、代表取締役に就任し、Amazon専門のコンサルティングを展開。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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