コロナ禍の健康ブームに乗って拡大したプロテイン市場に、化粧品、健康食品、フィットネスの事業者から新規参入が相次いだ。多数の商品が市場に投入されてから数年、原材料の高騰や価格競争、味や飲みやすさ、栄養面による競争が変化。筋肉増加だけを目的にしない目の肥えたユーザーも増えている。今後も選ばれるためには、マーケットの動きを捉えたアプローチが求められそうだ。
■コロナ後に商品が変化
プロテイン市場が拡大した背景には、筋量を増やすだけでないタンパク質の健康イメージの広がりがある。コロナ太りや運動不足も市場のすそ野を広げた。
20年以降、プロテイン製品は「タンパク質含有率」の競争が過熱した。低価格競争も進み、売り上げを伸ばす企業が相次いだ。
しかし、アフターコロナを機に原材料の高騰や、消費者の外出機会の増加など外部環境が変化。タンパク質の量を強く訴求するマーケティングから、タンパク質を含む栄養素全体で開発した商品ラインアップの拡充、パッケージ変更が進んだ。
現在はタンパク質含有率とともに、他の栄養素を前面に押し出す「栄養補助」を主とする商品が目立っている。商品が多彩になったことに伴い、BCAAやEAAといったアミノ酸系の商品、大豆を原料とするソイプロテインのニーズが顕著化してきている。
今後も高まる「健康意識」の観点から市場が引き続き伸びていくと事業者は期待しながら、特色を出した各社の施策が始まっている。
自然派健康食品ブランド「GoCLN(ゴークリーン)」をEC展開するFUJI Organics(本社東京都、アンドレス・ロジャース・ブルース社長)は、プロテイン関連製品の取り扱いを強化。「今後のプロテイン戦略において高品質を貫くことが重要」(吉沢朋子取締役)としている。
フィットネスブランド「STEADY(ステディ)」でプロテインなどをEC展開するステディジャパン(本社東京都、森由樹社長)は販促に取り組む。「初回や早い段階で仕掛けを用意し、効果を実感してもらうための継続を促す」(マーケティング部・有国佑氏)。
「GronG(グロング)」ブランドでプロテインをECやリテール展開するUltimate Life(本社大阪府、田中悠貴社長)はブランド戦略を強化し、「ユーザーとの距離感を大切にして消費者と伴走するブランドを目指す」(田中久登CMO)とした。
(続きは、「日本ネット経済新聞」2月27日号で)
【プロテインEC市場】成長続くも競争は変化/脱タンパク訴求の流れに対応進む(2025年2月27日号)
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