【ヤフー、流通額減少の真相は?】 6月も前年割れ続く/畑中執行役員「下期はLYPで復調へ」(2023年8月10日号)

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畑中基執行役員

畑中基執行役員

 ヤフーが運営するECモール「ヤフーショッピング」は、依然として厳しい状況が続いている。本紙では以前、「ヤフーショッピング」の23年3月度の流通総額が、前年同月比約30%減になったと報じた。その後も流通額は前年と同水準には回復していないという。ヤフーの畑中基執行役員は、「23年6月度の流通額は前年同月と比べて下回った。今後、流通額復調の鍵はLINE(ライン)とのID連携になる。LINEとヤフーとPayPay(ペイペイ)のグループを横断した『LYPプレミアム会員』への登録を促し、会員限定の販促などを強化し、立て直しを図る」と展望を説明する。「ヤフーショッピング」流通額減少の原因や、現状の取り組み、今後の復調の鍵となる「LYPプレミアム会員」の詳細などについてまとめた。

■「売れなくなった」の声

 「モール統合後、ヤフーショッピングで売れなくなった」「一番の稼ぎ時である日曜日に売れなくなった」「ヤフーが何を考えているか分からない」など、昨年末ごろから「ヤフーショッピング」出店者から厳しい声を聞く機会が増えた。
 ヤフーは昨年10月、「ヤフーショッピング」と「PayPayモール」を統合し、「新生ヤフーショッピング」として再始動した。そのタイミングで毎週日曜日にソフトバンクモバイル契約者に向けて実施していた「毎週日曜日は最大10%相当戻ってくる!」キャンペーンを終了した。
 その代わりに新たに「毎日5%」キャンペーン(支払い条件、上限あり)を開始した。ユーザーは日曜だけでなく毎日、特典を得ることができるようになったが、還元率などの面でキャンペーンの魅力が低下したようだ。


■流通額減は分かっていた

 「ヤフーは今まで広告事業で稼いできて、その儲け分をコマース事業の販促費に充ててきた。だが、昨年の秋ぐらいから、米国の金利が上昇したりして、広告事業が伸びなくなった。そのため、コマース事業にも、販促費を割けなくなり、結果として『ヤフーショッピング』で販促を打ちたくても打てないという歯がゆい状況に陥った」(畑中執行役員)と説明する。
 さらに、

(続きは、「日本ネット経済新聞」8月10日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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