薬機法違反の摘発が相次ぐ/コロナ関連は14件

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 コロナ禍で薬機法違反の逮捕・書類送検が相次いでいる。警察庁の集計によると、全国の警察が20年に検挙した薬事関係事犯は、前年より15件増加の63事件だったという。その内、コロナに対する効能・効果を広告で標榜していた薬機法違反事件は14件あった。アフィリエイト広告を含め、ECの広告が摘発の対象となる事例も相次いでいる。

■売り上げ数千円で摘発

 警視庁は20年3月31日、健康食品を販売する企業の経営者ら2人と、法人としての同社を書類送検した。同社では、サプリメントのECサイトのネット広告で、「新型コロナウイルス対策」「ウイルスが遺伝子の複製の際に必要な必須アミノ酸の産生を阻害し、ウイルスの増殖を抑制する」などと効果効能を表示していたという。佐藤社長は、「素材の学術論文を基に広告表示したが、誤りだった」と容疑を認めているとしている。
 一方、神奈川県警は20年9月、フリーマーケットサイトで、ビタミン配合のサプリなどを販売していた計2人を、薬機法違反の疑いで書類送検した。販売に当たって、コロナに対する効能・効果を標榜していたという。フリーマーケットサイトで売り上げた金額は、いずれも数千円~数万円ほどだったという。
 愛知県警は21年2月、フリーマーケットサイトでせっけんなどを販売していた女性を薬機法・商標法の違反の疑いで書類送検した。無許可で高級ブランド「シャネル」などに似せたロゴ入りのせっけんなどを製造して販売していただけでなく、販売に当たって「コロナ対策」をうたっていたのだという。
 コロナ禍が猛威をふるう中、コロナへの有効性をうたう商品が狙い撃ちされている感がある。ネット上の表示もその例外ではないようだ。
 サプリメントに詳しく、(一社)全国直販流通協会(事務局東京都)の顧問を務める千葉一敏氏は、「コロナ禍の中、日本全国で薬機法の取り締まりが一斉に行われたのではないか」とみている。「少額の商品販売を行った一般人が、書類送検される事例も出てきている。以前なら考えられないケースだ。(コロナへの有効性をうたう商品は厳しく取り締まるという)警告の意味合いがあったのではないか」(同)と推測している。 

■アフィリエイトにも注意

 EC関連では、アフィリエイト広告に厳しいメスが入ったとみられる事例も出てきている。

(続きは、「日本ネット経済新聞」5月20日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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