〈クラフトビール市場〉EC中心に再ブームの兆し /大手4社、事業を続々本格化

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

ヤッホーブルーイングは精力的にリアルイベントを実施

十数年ほど前に一世を風靡(ふうび)した〝地ビール〟が、〝クラフトビール〟と呼び名を変え、今度はEC業界を中心にブームを巻き起こしそうだ。帝国データバンクが3月に発表した調査結果によれば、クラフトビールの市場規模は09年から毎年、10%を越すペースで成長している。大手ビールメーカー4社は、クラフトビール市場の成長性の高さに目を付け、今春から続々とクラフトビール事業を本格化。キリンビールとサッポロビールは、専門子会社を設立し、ネット通販で拡販を図っている。

 キリンビールは今年1月に、全額出資子会社としてスプリングバレーブルワリー(本社東京都)を設立。4月からECサイトでクラフトビールの販売を開始した。
 サッポロビールは専門子会社ジャパンプレミアムブリュー(本社東京都)を設立。5月26日からECサイトを中心にクラフトビールの販売を開始した。
 両社とも、「EC」と「直営飲食店」を販路の両輪に据え、拡販を図っている。アサヒビールは今年2月、サントリーは今年5月にそれぞれクラフトビールを店舗販売向けに投入。クラフトビール市場はにわかに盛り上がりをみせている。


ECで起死回生したヤッホーブルーイング

 94年の酒税法改正により火が付いたのが「第一次地ビールブーム」だった。最盛期は300社超の地ビール会社があり、「年間で100億円程度の市場規模があったのではないか」(帝国データバンク)と言われている。ただ「町おこし」を目的に、素人同然の醸造家が作った「なんちゃって地ビール」も少なくなかった。次第に「地ビール=高くておいしくない」というイメージが定着し、03年ごろにブームは完全に終息。その後、地ビールメーカーは200社に減り、地ビールメーカーの売上高も大きく落ち込んだ。
 ブームが終息し、地ビールメーカーの淘汰が進む中、ECを活用して成功をつかんだのが、「よなよなエール」を販売するヤッホーブルーイング(本社長野県)だった。 
 同社も地ビールブームの終焉で苦境に立たされた会社だ。同社は楽天を始めとしたECで地ビールを販売する、というビジネスモデルを構築、04年からEC事業を本格化させ、窮地を乗り越えた。
 同社はECで、ギフト商材としての新たな顧客ニーズを開拓した。遊び心満載の「おもしろい」コンテンツを提供し続け、ファンを獲得。現在も、「店頭販売」「飲食事業」「リアルイベント」「ネット通販」の四つの事業を相互にリンクさせることにより、着実な成長を実現している。
 04年以降、同社は前年比10%超の増収を続けている。クラフトビール市場の近年の拡大は、同社の成功がけん引したといって過言ではない。

(続きは日本ネット経済新聞 5月28日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ