食品系ECが首都圏に照準/小商圏で物流の課題も解決

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横浜駅「アソビル」に設置されたマートステーション

 食品EC企業で、首都圏に的を絞って販売する企業が目立っている。クックパッドは昨年9月、首都圏の一部地域で生鮮食品のEC「クックパッドマート」を開始。ウェブサイトに地域の小売店が出店し、ユーザーは提携するドラッグストアやクリーニング店などで商品を受け取る仕組みだ。年内に受け取り場所を現在の5倍にあたる100カ所に増やす。首都圏に限定した高島屋の食品宅配サービス「ローズキッチン」の19年2月期の売上高が前期比2.2倍の増収を達成。東急電鉄も今年1月、東急沿線地区に限定したECを始めた。首都圏に商圏を絞り込んだ密着型のECの取り組みが広がっている。

■クックパッドレシピと連携開始

 食品ECでは、ネットスーパーや地方の特産品ECといった競合が多いことに加え、配送料の値上げも負担となっている。そうした中、ECであるにも関わらず、販売展開エリアを首都圏に限定して成果を挙げつつある企業が出てきた。
 クックパッドが昨年9月に開始した食品ECサイト「クックパッドマート」は、生鮮食品などを販売する小売店が出店し、量販店などの店舗で商品が受け取れるサービス。サイトには、精肉店や鮮魚店のほか、最近では、農家の直売所や市場の卸売市場が参画するなど幅を広げ、販売店は昨年9月から開始1年で41店舗にまで増えている。
 クックパッドの強みであるレシピを前面に押し出し、調理に必要な食材をECで購入できる。ネットで注文すると自宅から10~20キロ圏内にある店舗と契約するルート配送会社のスタッフが商品をピックアップする。
 受け取り場所は、ドラッグストアなどのチェーン店のほか、マンションのデベロッパーや鉄道会社などへ提案を進めている。年末までに100店舗、100ステーションの開設を見込む。
 8月22日には、横浜駅直結の複合施設「アソビル」にマートステーションを設置=写真。複合施設への設置はマートとして初となるという。
 ユーザーは、共働き世帯を中心に、生協やネットスーパーなどを並行して利用する20~40代が目立つという。日常的にというよりは、週末を中心に週1~2回が最も多い。月1万円の購入を目標に据える。
 5月には、クックパッドのレシピデータとのひもづけを本格的に始めた。例えば、「新玉ねぎ」の購入画面には、サラダや炒め物のレシピが表示されるようになり、調理をしやすくした。レシピに表示された食材をそのまま購入できるようにする。サイトへの出店先については、レビュー機能を付加することで、品質を担保する考えだ。「食品スーパーより安くデパ地下よりも高いクオリティを目指す」(買物事業部部長、新規サービス開発部・福崎康平氏)と意気込む。

(続きは、「日本ネット経済新聞」8月22日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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