〈楽天市場の新施策〉 店舗運営コスト削減へ/管理アプリ提供、提携運賃値下げ

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 楽天は6月27日、「楽天市場」の新施策について出店者に案内を送付した。スマホから店舗管理ができるアプリを提供し、日本郵便との提携によって提供している特別運賃を約10%値下げする。安価に利用できる受注管理ソフトも提供する。店舗運営にかかる手間や費用などのコストを削減するのが狙いだ。
 今年12月、「楽天市場」の店舗運営システム「RMS」をスマホからも操作できるように、スマホアプリの提供を開始する。受注の確認や問い合わせへの返信、商品情報の個別編集、店舗カルテの確認、システムトラブル・メンテナンス情報の確認、サポートメールの確認などをできるようにする予定だ。
 店舗からスマホで簡単に利用したいという声に応える形で開発する。指紋や顔認証でログインできる「イージーログイン」を採用し、新たな情報はプッシュ通知で知ることができる。アプリの利用料金は無料。
 6月26日には、昨年9月から提供しているチャット機能をメッセージ機能「R―Messe(アール・メッセ)」に刷新した。利用料金は7月以降も無料となる。無料期間の終了時期は未定。
 「即時返信が求められるイメージのチャットからメッセージ形式に機能を進化させることで、店舗さまの可能なタイミングで返信していただくイメージで気軽に利用してもらいたい」(広報)と話す。
 さらに顧客管理機能と連携したことで、店舗は過去の問い合わせや購入履歴などを参照しながら、ユーザーとコミュニケーションを図れるようにした。


■10%の運賃値下げ

 9月1日、日本郵便との包括的運賃契約により提供している「楽天特別運賃プログラム」の料金を改定する。店舗の状況や申し込みプランによっても異なるが、楽天の試算によると現状より約10%の運賃値下げになる見通し。
 今秋から楽天の物流サービス「楽天スーパーロジスティクス」において、店舗の荷物の持ち込みや集荷に対応する「集荷・持込サービス」を開始する。集荷は楽天の配送サービス「楽天エクスプレス」で対応する。
 「楽天フルフィルメントセンター流山」と「楽天フルフィルメントセンター枚方」の2拠点が持ち込みに対応する予定。開始当初の集荷対応地域は、東京都と千葉県の「楽天エクスプレス」の配送対応地域とする計画だ。


■楽天分の従量課金無料

 今秋、子会社のハングリードを通じて受注管理ソフト「BOSS(ボス)」の提供を開始する。月額基本料金1万円に加え、受注件数に応じた従量課金を徴収する。ただ、「楽天市場」の受注による従量課金は楽天が負担するため、無料となる。
 安価に利用できるソフトを提供することで、店舗の受注管理や在庫管理の効率化を支援する。「ボス」は複数店舗の受注処理を自動化できたり、「楽天スーパーロジスティクス」を含む複数倉庫からの出荷を効率的に管理できたりするという。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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